2018年05月10日

温根内早瀬保護区で今年も繁殖を確認

10日に温根内早瀬野鳥保護区(鶴居村。19.5ha)へタンチョウの繁殖状況確認のために入りました。ここは一度タンチョウの繁殖が途絶え、周辺丘陵地の開発による土砂流入が原因でハンノキが増えたためと考え、ハンノキ林を伐採しヨシ原を復元したところ、タンチョウが再営巣しています。今回は新任レンジャーへの案内を兼ねて、2年ぶりの現地踏査です。胴長を履き、谷地坊主と呼ばれるスゲ科の株の間の泥地やハンノキ林を抜けて現地へ向かいました。途中ではエゾシカの踏み跡を外れると、背丈を超えるヨシの枯れ茎やホザキシモツケの藪が行く手を阻み、ぬかるみや谷地坊主に足を取られながら、30分ほどで現地へ。

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ホザキシモツケの藪をかわしながら進む

 現地では、ハンノキ伐採後15年以上経過しても、復元されたヨシ原は良い状態を保っていました。今年はタンチョウの気配がないから丘陵地伝いに川の下流部まで探すことになるなあ、と思いながらさらに少し進んだ時、けたたましいタンチョウの警戒音が! 1羽が鳴きながら頭上を飛び越え50mほど離れたところへ着地しました。もう1羽も飛んできました。これは近くにヒナがいる行動です。あわててその場を離れ、少し戻った地点から斜面を上がり、250mほど離れた見晴らしの良い丘からタンチョウを観察しました。

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丘の上から観察

 静かに観察していると、すぐに1羽が最初に飛び立った辺りに戻り、やがてもう1羽も歩いて戻ってきました。すぐに戻った1羽が足元を気にしていて、その後座り込んだ白い背中から茶色の塊が。ヒナです! まだ首が座らない、という感じで生後3日め位の印象です。よく見ていると、親は少し離れてはすぐに同じ所に戻る動きを繰り返していました。まだヒナがうまく動けないのでしょう。親鳥は警戒音の代わりに、喉を鳴らすようなやさしいコロコロ・・・という声を出していました。

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やぶ越しのつがい(60倍ズームで撮影)

この日は1時間ほどの観察時間でヒナは1羽しか見ることはできませんでしたが、今年も繁殖を確認できました。最高気温が一桁の肌寒い日でしたが、レンジャーは温かい気持ちで帰途につきました。(原田記)
posted by 野鳥保護区事業 at 19:29| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月23日

新しい野鳥保護区が誕生!

 3月23日、当会は絶滅の危機に瀕しているタンチョウとシマフクロウを保護するため、その生息地約300haを購入しました。
購入地は寄付者のお名前を冠した野鳥保護区とし、生息地の自然環境を永続的に保全していきます。

1.タンチョウ4つがいが繁殖する湿原
  −村田野鳥保護区風蓮川、横澤野鳥保護区風蓮川
風蓮川河口に広がる湿地には、開発の法的規制が弱い民有地が残されており、村田氏他からのご寄付をもとに合計257.1haの土地を購入しました。
これにより、隣接する国指定鳥獣保護区に生息するタンチョウも含めると、6つがいのタンチョウの繁殖地が守られることになります。

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<ラムサール条約登録湿地の風蓮湖に流れ込む風蓮川。河口左岸(写真奥)に2つの野鳥保護区を設置しました>

2.シマフクロウ1つがいが繁殖する森林
  −持田野鳥保護区シマフクロウ釧路第4
当会は、2014年から釧路管内の森林に野鳥保護区を設置し、1つがいのシマフクロウを保全していますが、未だ周辺は森林伐採など開発の脅威にさらされています。
そこで、持田氏からの寄付金をもとに隣接する土地37.7haを購入し、シマフクロウの生息地の保全を強化することにしました。
※生息地かく乱の恐れがあるため、具体的な地名等の公表は控えさせていただきます。 

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<シマフクロウの住みかとなるような巨木が林立する豊かな河畔林>

1980年代に当会が始めた、絶滅危惧種の生息地を「野鳥保護区」として丸ごと買い取る活動も今年で30年が経過しました。今回購入した土地を含めると、当会が設置した野鳥保護区は計40か所、総面積は4,000haに達しようとしています。
私たちは、土地の購入後も自然環境が良好に保たれるよう、巡回や調査、適切な管理活動を継続していきます。

詳細は当会プレスリリース資料をご覧ください。
http://www.wbsj.org/activity/press-releases/press-2018-03-23/

【荒 記】
posted by 野鳥保護区事業 at 17:49| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月24日

高校生のタンチョウガイド

1月28日、標茶高校の「自然ガイド」の4回目の授業を行ないました。今回は生徒達がこれまで学んできたことをまとめ、観光客にガイドする「タンチョウガイド」をサンクチュアリの給餌場で行ないました。(これまでの授業についてはコチラ

この日は3年生と2年生がガイドをしました。始め観光客に話しかけることに戸惑う2年生に対し、昨年も経験した3年生は積極的に声を掛け、雑談も交えながらガイドをしていました。そんな先輩の姿が刺激になったのか、2年生も次々と声を掛けていくようになり、中には外国人へ英語でのガイドに挑戦する生徒もいました。この日はどのグループも10人程にガイドできたようです。3年生のガイドはこれで終了ですが、今回2年生にはもう一度ガイドをする機会があります。先輩達から「フリップでの解説にとらわれず、会話を楽しむこと」「まずは自分たちがガイドを楽しむこと」と後輩に次回のガイドに向け、エールが送られました。

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実際のタンチョウを活かし、ガイドする3年生(1/28)

2月24日、2年生2回目のタンチョウガイドです。パワーアップした小道具を手にした生徒達に、開始前からレンジャーは驚かされました。前回、外国人にもっとガイドをしてみたいという感想があったこともあり、外国人にも積極的に声を掛けていきます。ガイドの内容も前回よりうまくなっていて、何よりガイドをする生徒も楽しそうでした。そんな高校生の姿に、ガイドを聞いている人の顔も笑顔に変わります。ほとんどの生徒が20人以上の人にガイドを行ない、観光客からは「頑張ってね」「ありがとう」と声を掛けられて満足していただけたようです。
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参加者も体験できるゲームでガイドする生徒(2/24)

ガイドを経験し、来年も同授業を選択することを決めている生徒は「もっと英語でガイドをしたい」と早くも意気込みを語り、そうではない生徒も「この経験を色々なところで活かしていきたい」と今後に向けた感想がありました。

標茶高校での「自然ガイド」の授業はこれからも続きます。今回のガイドを経験した生徒が来年どのようなガイドを行なうのか今から楽しみです。
生徒の皆さんお疲れ様でした。そして楽しいガイドをありがとうございました!
【記:鈴木】

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2年生・3年生で記念撮影(1/28)

posted by 野鳥保護区事業 at 19:21| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする