2018年07月04日

「タンチョウの冬の食事場所を作ろう」のイベントを実施

 7月1日に「日本製紙クレインズの選手と一緒にタンチョウの冬の食事場所を作ろう」を実施しました。クレインズの選手と地元の子どもたちといった地域の人が協力しあい、タンチョウが冬に自然の餌を採れる場所(以下“自然採食地”)の維持管理を行なう活動です。
  はじめに、ネイチャーセンターで自然採食地についてスライドで説明し理解を深めてもらいました。タンチョウが給餌以外に冬に餌を採ることのできる凍らない河川などの環境があること、そこは整備後も数年で倒木や茂った藪が増えるため、出入りできるように繰り返し整備が必要なことを、皆さん熱心に聞いていました。これから行なう活動がタンチョウのためになることを感じてもらえたところで実際に作業場所へ移動します。


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作業前の勉強。自然採食地について学びます。

 当日は雨が降っていたので急遽予定を変更し、短時間で作業を進めることにしました。今回作業する自然採食地には、大きな倒木が1本あります。そのため、枝を払い、ロープで引き上げてからノコギリで細かく切っていく班と、茂っている藪と立木を切る、2班に分かれて作業を行ないました。力持ちのクレインズの選手と元気いっぱいで作業も早い子どもたちのおかげで、あっという間に開けた空間を造ることができました。

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協力して作業を進める選手と子どもたち

 レンジャーは整備した場所を冬にタンチョウが出入り口として利用し、餌を採ることをあらためて伝えました。作業した場所を背景に記念撮影をする頃には雨も弱くなり、皆さん達成感でいっぱいの表情でした。

 最後はセンターに戻り今日のまとめです。まずはクレインズの選手へのインタビューと質問タイム。選手と子どもたちとの距離がより近づいたところで、メッセージカードにタンチョウへの思いと作業の感想、クレインズの選手へのエールを書いてもらい、イベントを終了しました。

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雑談も交えながらタンチョウへのメッセージを考えます。



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思いをひとつに、タンチョウが利用してくれることを祈って記念撮影。

 釧路湿原自然再生普及小委員会の取り組みの一環であるこのイベントは、今年で7回目を迎えます。今回はクレインズの選手や鶴居村の野外活動グループ「サルルンガード」の子どもたちをはじめ、総勢25名でタンチョウの冬季自然採食地の維持管理の作業を行ないました。現在、給餌をはじめ地道な保護活動により1800羽までタンチョウは増えました。一方で給餌場での過密化による感染症への懸念、特定の越冬地への集中、人馴れや農業被害などの問題も深刻化しています。今後の個体数の増加や生息地の拡大にあたり、給餌に頼ることなく本来の生息環境で餌を採れる冬期自然採食地の存在は必要不可欠です。タンチョウが利用し続けていけるよう、今後も地域一体となって自然採食地の取り組みを進めていきます。
                                                                                           【記:田島】





posted by 野鳥保護区事業 at 18:17| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月18日

(株)明治と取り組むエコアップ活動

 6月14日、全国から集まった株式会社明治の社員ボランティア10名の方々と、野鳥保護区の自然環境をより良い状態にするための「エコアップ」活動を実施しました。
この活動は、2007年に当会と同社が協定を結び、2つの野鳥保護区を設置した翌年の2008年から継続して実施しています。

 22回目となる今回は、根室市街からほど近い「明治野鳥保護区牧の内」で、植樹と植栽地の草刈りを行ないました。
当保護区は根室市の取水源となるタンネ沼、オンネ沼を取り囲むように位置しているため、水源となる周辺の森を守り育んでいく必要があります。
当日は天候にも恵まれ、これまでのボランティアで最多となる300本のトドマツ、ミズナラなど5種類の苗木を植えることができました。

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●苗木を植える前に、まずは300個の穴を掘らなければなりません。これが大変!

 保護区では毎年、根室地域の子どもたちを対象に自然観察会と植樹体験を実施していますが、苗木が周りのササや雑草に負けずに成長できるよう、除草を続けなければなりません。
機械を使うと苗木まで刈ってしまう恐れがあるため、鎌を使い手作業で丁寧に刈り取っていきます。
私たちレンジャー3人では膨大な時間を要する作業も、ボランティアの皆さんの力を借りてあっという間に終えることができました。

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●厳しい環境下で苗木はゆっくり成長します。ササ丈を超えるまで、こうした管理作業を続けます。

 作業の合間には保護区を散策し、ハクサンチドリなど初夏の草花、アオジやウグイスのさえずりを楽しみました。
植樹中にも上空をオジロワシやオオジシギが飛び交い、移動中の車窓からもタンチョウのつがいを間近に観察することができ、ボランティアの方々に保護区の豊かな自然を実感していただくことができました。

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●この時期にしては珍しく霧が晴れ、保護区の全景と太平洋まで見渡すことができました。

 当日は強風にも負けず、笑顔で作業を続けて下さったボランティアの皆さん、ありがとうございました!
日々の生活や業務の中で、身近な自然や生きものに目を向けるなど、自然保護を意識するきっかけになれば嬉しく思います。

【荒 記】
posted by 野鳥保護区事業 at 11:37| 野鳥保護区管理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月08日

学生バードソン2018に参加しました

 6月3日にF.Aネットワーク主催の学生バードソン2018に参加しました。学生バードソンとは自然保護のためのチャリティイベントであり、バードウォッチングで出現した野鳥の種数と多くの方々からいただいた募金額の合計により順位を競いあう競技です。鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリは開設時にバードソンで集められた募金を寄付していただいており、そのお礼も込めて現在の学生バードソンにも参加し続けています。今回はラムサール釧路会議25周年ということで、チーム名「ラムサール25」としてサンクチュアリとトラストサルン釧路、支援者を含む6人のメンバーで出場しました。

 競技は限られた時間(12時間)で行われるため、当日までは下見と鶴居村内の方々の野鳥情報の収集を重ね、コースを熟考しました。当日は阿寒湖畔から釧路湿原周辺や鶴居村を通り、厚岸湖・別寒辺牛湿原へ、そこから霧多布湿原へ抜けるというラムサール条約に登録されている湿地を巡ります。天気も快晴で、期待を胸に最初の阿寒湖畔を午前4時半に歩き始めました。早朝にしては鳴き声もあまり聞こえず、予想していた種数は伸びずにまずまずのスタート。
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声の主を探します 

 厚岸湖までのコースの中でいかに山野の野鳥を稼ぐかが大事だと考え、時間配分にも注意して急いで車へ乗りこみます。車内では窓を開け、鳴き声に耳を傾けながら野鳥を探します。車内での話も野鳥のことばかり。車窓から見える自然環境を眺めながら様々な会話が生まれ、ルリビタキはこのあたりで出そうだなと呟いていると、この声に応じたかのように一声さえずってくれました。下見時からルリビタキが出ることは期待薄であったため、驚きと喜びでメンバーの顔に笑みがこぼれます。この出来事を皮切りに、情報で掴んだ種類の野鳥を見るのはもちろんのこと、オシドリ、シマエナガ、ハシビロガモなど予想外の野鳥に会うことが出来ました。
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オシドリ

 厚岸湖・別寒辺牛湿原に到着したのは9時間後のことで、ここまでに75種類の野鳥が出現しました。ここから残された時間は海辺の鳥がメインとなり、少しずつ種数を増やしていきます。霧多布湿原周辺は下見を行っていなかったため、はたして海岸や干潟でどんな野鳥が出るのかドキドキでした。結果はミヤコドリ、メダイチドリ、ホウロクシギなどが出現。双眼鏡やスコープ越しに見る彼らの嘴の形の違いなど個性豊かな姿に一同大盛り上がりでした。最後の到着地では競技終了の5分前にコマドリが一声だけさえずり、運の良い締めくくりになりました。

 最後に鳥合わせをし、確認できた種はなんと89種類。一般部門では堂々の1位でした。道東の自然の素晴らしさ、皆でバードウォッチングすることの楽しさを改めて実感した一日となりました。

 今回の募金先である「NPO法人リトルターン・プロジェクト」は絶滅の恐れのある海鳥、コアジサシ(カモメ科)の生息環境の保全活動を行っています。道東ではタンチョウやシマフクロウ、オオジシギなどの保全活動に取り組んでいますが、これらの野鳥をはじめとした様々な生きものたちが絶滅の危機に瀕しています。今回もコアジサシの生息地の保全のための募金を集め、1種類でも多くの生きものが生息し続けられるよう保全活動に取り組みます。
【記:田島】

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集合写真
                                        

posted by 野鳥保護区事業 at 15:14| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする