2017年10月12日

JALの皆さんと自然採食地整備

10月5日、日本航空株式会社(以下、JAL)の社員の皆さんと自然採食地の整備を行いました。JALの皆さんには昨年からこの活動にご協力いただき、今回は釧路や東京、札幌から16名の方にご参加いただきました。昨年は雨で寒い中での作業でしたが、今年はカエデやミズナラの紅葉が映える、穏やかな秋晴れの天候でした。

今回は、昨年作業した下雪裡5号採食地の倒木を除去することが目的です。参加者の中には、挨拶の段階から「1秒でも早く作業がしたい」、「赤い上着が真っ黒になるぐらい頑張りたい」と熱い意気込みを見せる方もいて、作業地につくとテキパキと河川を塞いでいた樹木を片づけていました。

IMG_8970.jpg
水辺を塞ぐ樹木を除去

大人のももぐらいの太さの木は交代しながら伐採し、木の運び出しはお互いに声を掛け合いスムーズに片づけていきます。「タンチョウのために、邪魔になる木を片づけよう」と熱心に作業に取り組む、社員の皆さんの団結力とタンチョウへの愛情の深さに私たちは驚かされました。

IMG_8785.jpg
作業前
IMG_8885.jpg
作業後

1時間ほどで作業地内の倒木と、おまけに周辺の倒木まで片づけることができました。作業後は、その場所で自然観察。10cmほどの魚影や水生昆虫と、枯れ木に残されたアカゲラの食痕が見つかりました。観察中、近くからタンチョウの鳴き声が聞こえました。きっと「倒木を片づけてくれてありがとう」と言ってくれたのでしょう。

IMG_8812.jpg
作業によって開けた空間が完成

ネイチャーセンターに戻って、今日の感想やタンチョウへのメッセージを各自でカードにまとめ、本物のタンチョウを見るためネイチャーセンターを出発しました。2週間ほど前から、畑で刈り取りが行われるようになり、村内にタンチョウたちが集まり始めていました。そのおかげで、畑では親子連れや羽繕いなど、様々な姿のタンチョウを見ることができました。日が傾き出した頃、ねぐらの見える音羽橋へ。辺りが暗くなるにつれ、次から次へとタンチョウが飛んできます。そのたびに「翼を広げた姿は大きいね」、「飛んでいる姿が優雅で綺麗」と歓声が上がります。

IMG_8864.jpg
タンチョウの姿に一同感嘆

社員の皆さんからは「環境に優しい飛行を心掛けます。タンチョウを含む全ての生物のため」や「タンチョウが安心して食事ができる様にイメージしながら、心こめて作業しました。これからも、タンチョウと北海道の大自然を大切にしていきたいと、改めて強く思いました。」というメッセージをいただきました。作業を通じて、タンチョウが暮らす自然環境の大切さや、タンチョウの保護活動への理解を深めてもらうことができました。作業にご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
【鈴木記】

posted by 野鳥保護区事業 at 17:18| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月11日

秋に染まる渡邊野鳥保護区フレシマ

秋も深まる中、渡邊野鳥保護区フレシマの巡回をしてきました。

s-171007_渡邊野鳥保護区フレシマ_JDS_0565.jpg

茶色に色づいた湿原や草原には、強い海風が吹き付け、上昇気流
に乗ってオジロワシが優雅に旋回していました。
保護区内の池沼には、カモたちが羽を休めています。

間もなくタンチョウたちは鶴居などの越冬地へ去り、厳しい冬が
やってきます。フレシマは雪で閉ざされますが、代わってオオワシ
など冬鳥たちで賑わってきます。。

s-171007_渡邊野鳥保護区フレシマ_JDS_0621-Pano.jpg
オオワシやオジロワシは、海岸の段丘で起こる上昇気流を掴んで飛翔する

季節の移ろいとともに野鳥たちが往来するフレシマの豊かな自然を、
私たちは定期的に巡回し、異常がないかを確認していきます。
【松本記】
posted by 野鳥保護区事業 at 14:25| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月31日

三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽の巡回

 三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽は、根室市の別当賀川と風蓮湖に隣接しており、タンチョウ1つがいが繁殖しています。しかし、ここ数年繁殖に失敗することが多くなっています。タンチョウが利用している湿原に問題が生じていないかを確認するために、8月30日に巡回を実施しました。

 まず見られたのはスゲ類の群生地です。この湿原の中ではよく目立っており、膝くらいの高さのスゲ類が広がっていました。

170826_酪陽_1536.jpg

湿原の中央部分はヨシ原です。2mほどの高さのヨシが繁茂する中に所々狭い川が流れていました。

170826_酪陽_1482.jpg

ヨシ原を抜け風蓮湖に近づくと、再びスゲ類が見られますが、その中にはシダ類やヤチヤナギが混生し、ハンノキなどの樹木がまばらに生える環境になります。

170826_酪陽_1528.jpg

 隣接する藤田野鳥保護区酪陽と合わせると57.3haほどの湿原の中で多様な環境が存在しています。その中で、タンチョウ以外にもノビタキ、コヨシキリなどの湿原の鳥が数多く繁殖し、この野鳥保護区は鳥たちの重要な生息地となっています。
 タンチョウの繁殖の成否は様々な要因に左右されます。そのため、今後も注意深く観察して環境の変化などを把握していきます。

【稲葉記】
posted by 野鳥保護区事業 at 20:50| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする