2012年05月18日

春のタンチョウ

ここ数日の暖かさで、ネイチャーセンター前のエゾヤマザクラが一気に開花し、
サンクチュアリ給餌場の緑は一層濃くなってきました。
やっと本格的な春がやってきたようです。

冬には数多くのタンチョウがやって来て、鳴き合いの声が響いていましたが、
今はタンチョウの姿はなく、小鳥たちのさえずりだけが聞こえてきます。
タンチョウたちはどこに行ったのでしょう?

DSC00537_s.jpg
現在の給餌場のようす

この時期、成鳥たちは湿原へと移動し、それぞれのつがいでなわばりを持って、
子育てをしています。
繁殖を行わない若鳥たちは、仲間と小さな群れを作って行動しており、
牧草地や畑などで姿を見ることがあります。

tanchou waka_s.jpg
若いほど黒い部分の色がうすい

牧草地や畑に集まった若鳥たちは、暖かくなったことで姿を見せるようになった
虫やミミズを狙って、盛んにくちばしで地面をつついています。

esa_s.jpg
餌をさがす昨年生まれの若鳥

今後も引き続き、春夏のタンチョウの様子、生息地の環境などについて
お伝えしていきたいと思います。

〈牛田記〉


posted by 野鳥保護区事業 at 17:52| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月16日

渡邊野鳥保護区フレシマ隣接地で、風力発電所建設計画が浮上

当会で2004年に設置した「渡邊野鳥保護区フレシマ」は、北海道根室市の太平洋岸に
位置し、タンチョウ1つがいが繁殖する湿原や草原、森林を含む203.7haの野鳥保護区
です。今年もタンチョウが抱卵しており、釣り人などの侵入による繁殖阻害が起きない
よう、レンジャーが定期的に巡回を実施しています。

今年2月、同野鳥保護区の隣接地へ風力発電所建設計画が浮上しました。
事業主である電源開発株式会社によると、同野鳥保護区の隣接地へ最大15基の風車
を立てる計画です。

【野鳥の会】対象事業計画区域の風景.jpg
風力発電所建設予定地

この地域に風車が建設されると、タンチョウ、オジロワシやオオワシ、オオジシギなど
の希少鳥類の生息が脅かされる恐れがあります。そのため当会では、電源開発が示した
計画地は建設場所として不適切であり、立地選択をやり直す必要があると考えます。

5月11日、電源開発が縦覧している「環境影響評価方法書(建設が自然環境に与える
影響の調査方法を示す文書)」に対して、当会は調査方法の不備を指摘、改善を求める
意見書を提出し、同時に根室市役所記者クラブにおいて建設に反対する旨の記者発表を
行ないました。意見書は根室支部と同時に提出し、

@鳥類調査における調査地点の設定場所や箇所数が十分ではないこと

A計画地は多くの鳥類の渡り経路のため、特定の種群だけでなく、すべての渡り鳥を
調査対象とすること

B希少猛禽類の調査では、調査定点が鳥類の行動圏内に位置し、行動を阻害する可能性
が高いこと

C建設が鳥類に与える影響の予測手法について、具体的な内容が記載されていないこと

など多数の問題点を指摘しました。
(詳細は、こちら

【野鳥の会】意見書を提出.jpg
根室支部と同時に意見書を提出

これから当会では、根室支部や地元関係者と協力しつつ、建設予定地における独自の鳥類
調査を実施する予定です。

【松本記】
posted by 野鳥保護区事業 at 13:44| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月11日

持田野鳥保護区東梅に8羽のタンチョウが飛来しました

 
 持田野鳥保護区東梅は、タンチョウの繁殖地を保護するため、1987年に当会が設置した最初の野鳥保護区です。同野鳥保護区ではほぼ毎年タンチョウの繁殖行動が確認されており、スタッフが巡回して見守っています。
 
 さて、その持田野鳥保護区東梅に、8羽のタンチョウが飛来しました。タンチョウは繁殖可能年齢である2歳くらいになるとつがいを組み、テリトリーを持つようになります。2歳以前の若鳥である間は、若鳥同士で集まり採食地を探して各地を転々とします。このときは若鳥の群れが、野鳥保護区周辺の干潟に餌を獲りに来ていたようです。この湿原を利用しているつがいは、卵を抱いている状態ではなかったためか、若鳥たちを威嚇するようなそぶりを見せませんでした。若鳥たちはしばらく居すわった後いなくなりました。
 
 
 タンチョウはたくさんの方の努力により、1000羽を超すまで数を回復しました。一方で繁殖地である湿原が足りなくなってきているのも事実であり、こうしてタンチョウがはち合わせてしまう理由の一つとして考えられます。
 
 
 野鳥保護区事業所では、今後もタンチョウの動向を把握するとともに、タンチョウが安心して子育てできる環境を保つため、野鳥保護区の設置と巡回等保護活動を続けて参ります。


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餌をさがすタンチョウの若鳥

<岩坂記>
posted by 野鳥保護区事業 at 09:29| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする