2016年07月28日

槍昔と牧の内でタンチョウとオジロワシの繁殖状況調査を実施

 当会は2007年に株式会社明治と協定を結び、根室市内にある同社の所有地を野鳥保護区として共同で保全しています。槍昔地域と牧の内地域のそれぞれの保護区では、絶滅危惧U類に指定されているタンチョウとオジロワシの営巣が確認されており、毎年その繁殖状況の確認調査を行なっています。今年も4月から7月にかけて、二つの野鳥保護区内で調査を行ないました。

図1−1.野鳥保護区位置図.jpg

◎株式会社明治野鳥保護区槍昔(タンチョウ1つがい、オジロワシ1つがい営巣)
 風蓮湖に隣接する株式会社明治野鳥保護区槍昔では5月18日、6月15日、7月21日に調査を行ないました。
 営巣地は風蓮湖の沿岸部や湖に流れ込む川の河口域にあり、陸上からでは子育ての邪魔をしてしまう恐れがあるため、地元の漁師さんのご協力を頂いて船の上から調査を行ないました。
 今年は残念ながらタンチョウもオジロワシも保護区内では繁殖に成功しませんでした。なお、保護区を営巣に利用しているオジロワシのつがいについては、2つの巣のうち1つが冬の間に落ちてしまいました。次回の繁殖期の動向についても引き続き観察を行なっていきます。

保護区風景_槍昔@.jpg
 株式会社明治野鳥保護区槍昔

調査風景_槍昔@.jpg
 漁船の上から双眼鏡と望遠鏡で調査を行ないます

タンチョウペア_槍昔@.jpg
 タンチョウのつがい、岸辺でお食事中

オジロワシペア_槍昔@.jpg
 オジロワシのつがい、木の上で休憩中

◎株式会社明治野鳥保護区牧の内(タンチョウ2つがい、オジロワシ2つがい営巣)
 根室市街地の東側に隣接する明治野鳥保護区牧の内では4月27日、5月24日、6月28日に調査を行いました。
 この保護区では個体識別用の足輪の番号が99V(オス)とT25(オス)の2つがいのタンチョウが営巣していますが、残念ながら今年は繁殖に失敗しました。99Vのつがいでは、春先に親鳥が雛を連れている姿を確認できたのですが、6月には姿を消してしまいました。来年は無事に成長した雛の姿が見られることを期待したいです。
 また、長い間この保護区の周辺は上記の2つがいの縄張りでしたが、今年に入り新たなタンチョウのつがいの侵入が確認されました。つがいの片方は足輪をしており、足輪の番号を確認してみたところ、2013年春に浜中町で生まれたメスであることが分かりました。繁殖できる場所を求めて限られた湿原にタンチョウが増えてきており、今後の動向に注目していきます。
 オジロワシについては、2つがいとも繁殖に成功しており、雛が巣の中ですくすと成長している様子が観察できました。

保護区風景_牧の内@.jpg
 株式会社明治野鳥保護区牧の内

調査風景_牧の内@.jpg
 段丘上から湿原一帯を望む

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 牧の内保護区に新たに現れたつがい

オジロワシ_牧の内@.jpg
 オジロワシの成鳥

【記:大森】
posted by 野鳥保護区事業 at 17:16| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月26日

7月21日現地巡回の様子(知床地区)〜シマフクロウの森を育てよう!プロジェクト〜

 7月21日に知床の協賛区画の現地巡回を行いました。
 夏もいよいよ本番を迎えつつあり、植樹地にも暑い夏の日差しが降り注いでいました。周囲の森からはコエゾゼミの鳴き声が盛んに聞こえ、植栽木の葉の裏にセミの抜け殻を発見したりもしました。

2010年区画.jpg
 2010年区画

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 2011年区画

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 2012年区画

コエゾゼミの抜け殻.jpg
 ケヤマハンノキの葉の裏についていたコエゾゼミの抜け殻

今回の巡回では、植栽木の成長の様子を記録するために、各区画ごとに植栽木の樹高と胸高直径を計測しました。

2010年区画記録.jpg

2010年区画ヤチダモ.jpg
 2010年区画ヤチダモ

2011年区画記録.jpg

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 2011年区画ミズナラ

2012年区画記録.jpg

2012年度ミズナラ.jpg
 2012年区画ミズナラ

 樹種により成長に差はありますが、厳しい冬の積雪を乗り越えた植栽木は順調に成長しており、下草に負けることなく大きく葉を広げています。2011年区画のミズナラのように人の背丈をはるかに超え3mまで成長しているものもありました。
 周辺の森のような鬱蒼とした森になるのはまだまだ先のことですが、これからもしっかりと見守っていきます。

千人の森.jpg

☆シマフクロウの森を育てよう!プロジェクトの詳細は こちら

【記:大森】
posted by 野鳥保護区事業 at 18:03| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月12日

日本製紙クレインズの選手と鶴居村の子供達で自然採食地整備

10日に「日本製紙クレインズの選手と一緒にタンチョウの冬の食事場所をつくろう!」のイベントを行いました。今回は実業団のアイスホッケーチーム「日本製紙クレインズ」から選手4人とマネージャーさんが、子供達は鶴居村の自然体験活動グループ「サルルンガード」を中心に小中学生が14人、そしてサポートの大人等で25人の参加となりました。まずはネイチャーセンターで自己紹介の後、自然採食地整備の意義(給餌場の個体数密度を少なくし伝染病等のリスクを下げる事ほか)や作業方法についてのレクチャーをして、現地へ。作業場所は2011年に整備をした「旧雪裡川1号」という場所で、藪や倒木等で再度管理が必要になっていました。

IMG_4288T_水際の倒れかかった木を伐る_ブログ用.jpg
バイカモの生える水面に倒れかかった木を伐る。

作業前の現地で説明後、2班に分かれて作業開始。この日は薄曇りですが湿度が高く、皆あっという間に汗だくになりました。クレインズの選手は太い木の運搬や枝払いに大活躍で、子供達の「切れないー」の声に手助けしたりと、頼もしい限りです。休憩時間には質問タイムで、シュート時のパックのスピードが時速170q位と聞いて目を丸くしたり、お母さんの「腹筋見せてください!」のリクエストに応えてくれる等、選手との交流で盛り上がりました。

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作業後半、水面が見えてきてペースも上がる

作業終了後、見通しが良くなりタンチョウが出入りしやすくなった川岸で、参加者はタンチョウの動きを想像したり、レンジャーから餌となる生き物の説明を受けました。その後ネイチャーセンターへ戻り、今日の感想やタンチョウへのメッセージを書いて模造紙に貼り、まとめとしました。
「タンチョウが来やすいように木を切っておいたから、ぜひ来てね!おいしい魚がたくさん食べられるよ」「きつねとかのてんてきが来てもすぐに逃げられるよ!」「タンチョウさんが冬にルンルン♪で通ってくれるといいなあ。みんなでがんばって楽しかったです」
等のメッセージが寄せられました。

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現地での記念写真。充実感に笑顔いっぱいの参加者

これからも、冬の給餌に頼らないで過ごせる自然の餌場(冬期自然採食地)をたくさんの人達と維持管理していきたいと思います。(原田)
posted by 野鳥保護区事業 at 17:33| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする