2017年04月24日

新担当者からご挨拶

早いもので4月も残すところあと一週間となりました。
タンチョウやシマフクロウも、子育てに忙しくしている頃でしょう。

この度、日本野鳥の会のシマフクロウ保護事業にも新しいメンバーが加わりましたので、ご挨拶させていただきます。

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左から、稲葉、松本、荒
 
<松本チーフレンジャー>
野鳥保護区事業を担当して、10年目が始まりました。
タンチョウやシマフクロウは、この北海道の自然の中で逞しく生きていますが、
その生息地は未だ消失の危機に瀕しています。
多様な動植物が生息するタンチョウの湿原、そしてシマフクロウの森を守るため、
野鳥保護区の設置や環境管理等、レンジャー一同、力を尽くしていきます。
 
<荒レンジャー>
これまで4年間東京の財団事務所にいました。今回が初の現場となります。
先日初めてシマフクロウに出会い、威厳ある姿に圧倒されました。
鶴居村では、タンチョウを見守ってこられた方々の想いに触れることができました。
100年後もシマフクロウ、タンチョウが生息できる豊かな森と湿原を守れるよう、調査や保護区の環境管理に取り組んでいきます。
 
<稲葉レンジャー>
4月から新たに保護区に着任しました。
初めて北海道に降り立ちましたが、野生のタンチョウが身近にいることに日々感動しています。
これから、シマフクロウやタンチョウが生息する環境を理解し、未来に伝え守っていくために尽力していきます。
 
今後もシマフクロウやタンチョウが安心して住める環境作りに情熱を注いでいきます。
引き続きご支援・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

【荒 記】
posted by 野鳥保護区事業 at 15:49| その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月17日

春の観察場清掃

 給餌場を覆っていた雪は解け、林内からゴジュウカラやキジバトのさえずりが、水辺からはエゾアカガエルの鳴き声が聞こえます。地面の至るところではフキノトウやフクジュソウの花が咲き、ようやく春の到来を感じられるようになりました。それと同時に、冬の間は雪の中に隠れていたゴミの姿が目立つようになりました。
 そこで、4月15日に鶴居村かんきょう会議の会員の皆さんと、観察場とその周辺を清掃しました。

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フクジュソウの花々

 観察場や駐車場でゴミを拾っていると、やはり人がいた場所にはタバコの吸い殻や使い捨てカイロ、ティッシュなどのゴミが落ちています。また前日までの強風によって木の枝先や草木の間にビニール袋が多数。開始から僅か30分ほどで参加者の袋にはたくさんのゴミが集まりました。

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柵の下にはたくさんのゴミが

 その後、給餌場に隣接する自然採食地に移動しました。(自然採食地についてはコチラ)
冬にタンチョウ達がよく利用する場所のため、念入りにゴミが無いか探しているとホオジロやヤマセミ、タヌキのため糞など様々な生き物やその痕跡を確認しました。
 普段はあまり人が立ち入らない場所であるためゴミは少な目ですが、昨年の台風による増水で流れてきたと思われるゴミが木々の高い場所に引っかかっていたり、水辺にはゴミが打ち上げられていたりします。これらのゴミは可能な限り回収しました。

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サンクチュアリ1号採食地

 11名の参加者の協力により、30kgものゴミを拾うことができました。この活動は毎年行っていますが、今年は特に観察場にゴミが多かったように思います。この冬も日本に限らず海外からも多くの方にお越し頂きましたが、その中に美しい自然を見に来て、その自然を汚して帰る心無い人がいたことに胸が痛みました。今後この場所を訪れる人が増え、ゴミが増えることによって、タンチョウがゴミを誤食したりしないか心配になります。
 しかしこの冬、「観察場にゴミがあったから」と自ら率先してゴミを拾ってきてくれたカメラマンの方がいました。そんな人達と協力し、タンチョウが安心して冬を過ごすことができる環境をこれからも維持していきます。
 この日ご参加頂いた皆さま、ありがとうございました。

【記:鈴木】

posted by 野鳥保護区事業 at 16:47| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月04日

スラリー転落事故

2日、刺激的なタンチョウの保護を手伝いました。休日の朝にOさんから「スラリーに落ちたタンチョウの保護を手伝ってほしい」との電話。スラリーとは、近年各地の牧場に設置されている、牛の糞尿を液状のまま溜めておくタンクです。屋根がないため、乾いた糞尿の表面が泥状で、間違えて下りたタンチョウが出られなくなったり、溺れて死亡する事故が起きています。

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スラリーから出られなくなったタンチョウ

古い雨具とトイレ掃除用の手袋、胴長で身支度し、覚悟を決めて現地へ行くと、直径30m程の丸いスラリーの中にタンチョウがいました。確かに表面は泥と水のようで、餌を探したくなるのも分かるような・・・。胴長で中に降りる覚悟でいましたが、深さが4mと聞いて断念。まずは壁の近くにいたタンチョウを、柄の長さ2m弱の大きな丸い網で救い上げようとしました。頭は網に入ったのですが、暴れてやや中央側へ離れてしまい失敗。

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身動きできなくなったタンチョウ

今度は釣竿を2本ずらして重ね、先端にロープで輪を作り、引っかける作戦に変更です。1回目は長さが足りず、竿をずらして長く作り直しました。2回目、首を絞めないように気を付けながら、今度はうまく体にかかり、糞しぶきを浴びながら引き寄せ、4人がかりで引き揚げました。

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洗浄されるタンチョウ

すぐに牛舎内へ運び、温水で汚れを落とした後、洗剤で羽を痛めないように洗い、タオルで拭いて乾かします。幸い大きな外傷はなく、猛禽類医学研究所のスタッフが慣れた手つきで作業を進めました。この日は天気がよく、洗浄を終えたのが昼頃だったため、サンクチュアリで放鳥することになりました。

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放鳥されたタンチョウ

体を保定していたベルトを外し目隠しを取ると、タンチョウは羽ばたきながら給餌場を走り、林の中へ姿を消しました。この動きなら大丈夫そうです。服についた汚れを洗い流し、一息つくと2時間半が過ぎていました。
このような事故は十数年前から発生するようになり、再発防止としてスラリータンクの上面に数本のロープを張る対策が行われたこともあります。交通事故や電線衝突等に比べ発生件数は少ないですが、これも人とタンチョウの生活が重なることで生じる問題の1つです。(原田)
posted by 野鳥保護区事業 at 17:27| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする