2017年05月18日

春の冬期自然採食地

 鶴居村周辺でタンチョウのヒナが生まれ、ネイチャーセンターの周りではサクラが咲き、ツツドリやアオジのさえずりが聞こえる季節となりました。ようやく春の到来を感じることができるようになった5月16日に、冬期自然採食地の踏査を行いました。(冬期自然採食地についてはコチラ)

 自然採食地は一度整備しても、倒木で水路が塞がったり、低木が茂るなどしてタンチョウがその場所を利用できなくなることがあります。そのため、現地を見て回り、管理作業が必要な場所を確認することが今回の大きな目的でした。

 現地では、冬に設置したタイマーカメラで撮影されたタンチョウの利用数やその場所に残された足跡の記録を参考に、移動の妨げになる低木や倒木が無いかなどをチェックします。この日の天気は雨でしたが、周りではベニマシコやノビタキなどのさえずりや、林の中ではエンレイソウやエンコウソウの花など、たくさんの生き物を確認できました。
IMG_7401.jpg
        低木の茂り具合をチェック

 中でも昨年、日本航空(JAL)の社員の皆さんと整備を行った下雪裡5号採食地では、ニリンソウの大群落が。小さく可憐な白い花が辺り一面に咲き、まるで林の中に満天の星空があるようでした。
IMG_7402.jpg
        ニリンソウの大群落

 冬に設置したタイマーカメラにはタンチョウの姿が撮影され、また作業によってできた開けた空間にタンチョウの足跡が確認されています。JALの皆さんには今年度も作業にご協力頂けるため、私達はニリンソウを踏まぬように注意しながら管理作業が必要な場所の確認をしました。
 この時期にしか見ることができない緑豊かな光景のおかげで、私達は雨が降っていることを忘れ計9か所の確認作業ができました。
MFDC4580_南側出入口付近のタンチョウ.JPG
       タイマーカメラにタンチョウが
         (下雪裡5号採食地)
5015_南側出入口の足跡アップ.jpg
        整備箇所にタンチョウの足跡
          (下雪裡5号採食地)

 今回の踏査では、豊かな水辺環境にしか咲かない植物を多数確認することが出来ました。春の自然採食地にタンチョウはいませんが、様々な植物が咲いています。湿った環境を好んで咲くものや乾いた環境に生えるものなど、管理作業を考えるにあたってとても参考になりました。
今回の踏査結果を元に、今年度も様々な人達と連携し、タンチョウが冬に餌を探すことのできる環境を維持していきます。
【記:鈴木】
posted by 野鳥保護区事業 at 11:44| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月10日

日本野鳥の会の第一号巣箱でシマフクロウの利用を確認!

昨年、「千人の森」Tシャツの販売を通して頂いた寄付金から作られた当会の第一号巣箱で、シマフクロウの利用が確認されました。

s-Tシャツと巣箱.jpg
 
繁殖期以降のレンジャーによる調査で巣箱の入口に爪痕や汚れを確認し、巣箱の利用が推測されました。
そこで、無人のセンサーカメラを使い、シマフクロウが巣箱に入る様子を捉えようと試みたところ、巣箱に入るシマフクロウの後ろ姿を撮影しました。おそらく時期からすると、巣箱の中にメスがいて、ヒナを抱いていると思われます。
 
このままヒナが無事に育つといいのですが、ヒナがまだ小さく、予断は許されません。シマフクロウにとって、子育てで一番大事な時期なため、彼らを脅かさないように遠くからそっと見守っていきたいと思います。

「千人の森」Tシャツでご支援くださった皆様、ありがとうございました。

※巣箱の設置の様子は、こちら

●巣箱の中はどんな感じ?
巣箱ぬいぐるみ.jpg
巣箱内イメージ
 
巣箱の中に、木のチップが敷き詰められています。天然の樹洞の底は保温性のある朽ちた木の破片で覆われているので、それに似せて巣箱ではチップを敷き詰めています。
 
シマフクロウは、寒さが厳しい2〜3月に2つの卵を産みます。
巣の中で卵やヒナを抱くのはメスの仕事で、オスは昼間は巣の近くの木で周りを警戒したり、夜には餌を巣の中に運んだりもしています。
 
メスも夜に餌をを食べるために巣から出てくることもありますが、このような時間はヒナが天敵のテンに襲われる可能性も高くなります。
ヒナが順調に成長すれば、5月下旬〜6月には巣立ち予定です。


【稲葉記】
posted by 野鳥保護区事業 at 11:39| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする