2019年03月10日

「フィールド・アシスタント・ネットワーク」春のワークキャンプを実施

 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリで毎年受け入れをしている、大学生の自然保護ボランティア団体「フィールド・アシスタント・ネットワークのワークキャンプ。夏に引き続き、今春は2月28日から3月4日までの5日間で実施しました。

 初日のオリエンテーションでは、館内の解説やタンチョウについての歴史や生態、当会のこれまでの保護活動、冬期自然採食地(以下自然採食地)の保全の取り組みについてなどをレンジャーが説明し、理解を深めてもらいました。

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説明後は質問が飛び交いました

 2日目は、車で釧路湿原をぐるっと1周する野外セミナーで、タンチョウの生息環境や歴史、保護活動について知ってもらいました。鶴居村内の農家の方からは、タンチョウの農業被害やタンチョウに対する想いを語ってもらうなど、学生だけでなくレンジャーにとっても貴重な話を聞く機会となりました。釧路湿原を一望できる展望台では、湿原の雄大さを肌で実感。道中は様々な種類の生きものにも出会え、学生は大興奮でした。

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早朝はねぐらで有名な音羽橋にてタンチョウを観察

 3日目は、タンチョウが冬期に給餌場以外で餌を食べられるよう整備してきた「自然採食地」に出向きました。現地ではタンチョウの餌場の環境を見てもらいながら、利用状況を確認するために設置しているタイマーカメラの電池交換や、雪に残ったタンチョウの足跡を探してもらいました。他の動物の痕跡もあり、様々な生きものが生息する環境を実感してもらえたようです。夜は懇親会が行われ、参加してくれた地域の方と交流を深めました。

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手袋を外して慎重に電池を取り換えます

 4日目は、タンチョウが給餌場とその周辺のどこを利用しているのか調べました。給餌場、牧草地や農家敷地などが見渡せる山、車での巡回、の3班に分かれて調査を開始。朝から1日野外での作業であったため、慣れない寒さで体力も奪われたようです。各地点での結果を共有してみると、タンチョウを農家敷地や排水路、河川で観察することができた、前日に現地確認した自然採食地を利用している個体がいたなどの感想があり、実際のタンチョウの利用状況をつかんでもらうことができました。

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高台からタンチョウを探す学生

 最終日は、インタビューを通して活動の振り返りを行いました。学生からは、「自然環境という地域全体に関わる問題を様々な立場からの意見を踏まえ改善、解決に向け取り組むことの大変さと大切さを学んだ」「タンチョウと農家の方との軋轢を強く感じた」「懇親会ではタンチョウと関わる方との話も聞けて、タンチョウへの想いや愛情の深さを感じた」「人と人とのつながりの大切さはどんな現場でも必要なことだと学んだ」「北海道で少しでも自然を守る環境にたつことができたことが良い経験になった」など多くの感想が上がりました。

 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリは、開設時から学生ボランティアをはじめとした多くの方の支えのもと、タンチョウの保護活動に取り組むことができています。短期間で忙しい5日間ではありましたが、学生の皆さん、ありがとうございました。 
【記:田島】


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最後は記念撮影




posted by 野鳥保護区事業 at 16:15| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする