2016年09月23日

日本鳥学会でシマフクロウ調査について発表しました

9月16日から19日まで、日本鳥学会が札幌で開催され、当会では、日本製紙株式会社と共同で2014年に実施した、社有林内でのシマフクロウの調査についてポスター発表を行ないました。
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この調査は、シマフクロウ2つがいが生息し、木材を生産する森でもある釧路地域の日本製紙社有林内において、重要な生息区域を把握し、保全範囲を抽出する目的で実施したものです。
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シマフクロウ2つがいが生息する、社有林内を流れる川と河畔林。

2014年5月から12月にかけて、河川に沿って500m間隔で21台の録音機を設置して、そのデータを解析することで、シマフクロウが良く鳴く場所を調べました。そして、その声の位置や鳴き声の回数から、生息するシマフクロウが森の中のどのあたりを良く利用しているかを明らかにして、保全すべき範囲を抽出したのです。
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調査の様子。録音機を河畔につけていきます。

2015年には、この調査結果を元にして、日本製紙株式会社との間で、伐採や施業時期を制限する範囲を取り決め、林業とシマフクロウの生息地保全を両立させる覚書を取り交わすことができました。
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※保全範囲の概念図。営巣木のまわり半径250m(赤点線)および、頻繁に声が記録されていた地点から半径250m(青点線)、河川から片側20mの範囲は、特に重要な利用範囲として保全が強化された。

今回の学会では、発表を見に来ていただいた多くの方に、当会と企業が共同で進めている調査や保全活動についてお伝えすることができました。
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木材を生産する経営林について、シマフクロウのために施業の制限を検討していただいた日本製紙株式会社、録音機材の提供をしてくださったヤマハ株式会社、そして、300時間を超える膨大な量の音声データからシマフクロウの声だけを抽出するソフトを開発していただいた富士通株式会社および富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社の皆さまには、この場を借りて御礼申し上げます。

【松本記】
posted by 野鳥保護区事業 at 23:13| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする