2018年07月04日

「タンチョウの冬の食事場所を作ろう」のイベントを実施

 7月1日に「日本製紙クレインズの選手と一緒にタンチョウの冬の食事場所を作ろう」を実施しました。クレインズの選手と地元の子どもたちといった地域の人が協力しあい、タンチョウが冬に自然の餌を採れる場所(以下“自然採食地”)の維持管理を行なう活動です。
  はじめに、ネイチャーセンターで自然採食地についてスライドで説明し理解を深めてもらいました。タンチョウが給餌以外に冬に餌を採ることのできる凍らない河川などの環境があること、そこは整備後も数年で倒木や茂った藪が増えるため、出入りできるように繰り返し整備が必要なことを、皆さん熱心に聞いていました。これから行なう活動がタンチョウのためになることを感じてもらえたところで実際に作業場所へ移動します。


IMG_7177.jpg
作業前の勉強。自然採食地について学びます。

 当日は雨が降っていたので急遽予定を変更し、短時間で作業を進めることにしました。今回作業する自然採食地には、大きな倒木が1本あります。そのため、枝を払い、ロープで引き上げてからノコギリで細かく切っていく班と、茂っている藪と立木を切る、2班に分かれて作業を行ないました。力持ちのクレインズの選手と元気いっぱいで作業も早い子どもたちのおかげで、あっという間に開けた空間を造ることができました。

IMG_1611.jpg
協力して作業を進める選手と子どもたち

 レンジャーは整備した場所を冬にタンチョウが出入り口として利用し、餌を採ることをあらためて伝えました。作業した場所を背景に記念撮影をする頃には雨も弱くなり、皆さん達成感でいっぱいの表情でした。

 最後はセンターに戻り今日のまとめです。まずはクレインズの選手へのインタビューと質問タイム。選手と子どもたちとの距離がより近づいたところで、メッセージカードにタンチョウへの思いと作業の感想、クレインズの選手へのエールを書いてもらい、イベントを終了しました。

IMG_1674.jpg
雑談も交えながらタンチョウへのメッセージを考えます。



IMG_1679.jpg
思いをひとつに、タンチョウが利用してくれることを祈って記念撮影。

 釧路湿原自然再生普及小委員会の取り組みの一環であるこのイベントは、今年で7回目を迎えます。今回はクレインズの選手や鶴居村の野外活動グループ「サルルンガード」の子どもたちをはじめ、総勢25名でタンチョウの冬季自然採食地の維持管理の作業を行ないました。現在、給餌をはじめ地道な保護活動により1800羽までタンチョウは増えました。一方で給餌場での過密化による感染症への懸念、特定の越冬地への集中、人馴れや農業被害などの問題も深刻化しています。今後の個体数の増加や生息地の拡大にあたり、給餌に頼ることなく本来の生息環境で餌を採れる冬期自然採食地の存在は必要不可欠です。タンチョウが利用し続けていけるよう、今後も地域一体となって自然採食地の取り組みを進めていきます。
                                                                                           【記:田島】





posted by 野鳥保護区事業 at 18:17| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月23日

新しい野鳥保護区が誕生!

 3月23日、当会は絶滅の危機に瀕しているタンチョウとシマフクロウを保護するため、その生息地約300haを購入しました。
購入地は寄付者のお名前を冠した野鳥保護区とし、生息地の自然環境を永続的に保全していきます。

1.タンチョウ4つがいが繁殖する湿原
  −村田野鳥保護区風蓮川、横澤野鳥保護区風蓮川
風蓮川河口に広がる湿地には、開発の法的規制が弱い民有地が残されており、村田氏他からのご寄付をもとに合計257.1haの土地を購入しました。
これにより、隣接する国指定鳥獣保護区に生息するタンチョウも含めると、6つがいのタンチョウの繁殖地が守られることになります。

170905_横澤野鳥保護区風蓮川_G0049553-Pano.jpg
<ラムサール条約登録湿地の風蓮湖に流れ込む風蓮川。河口左岸(写真奥)に2つの野鳥保護区を設置しました>

2.シマフクロウ1つがいが繁殖する森林
  −持田野鳥保護区シマフクロウ釧路第4
当会は、2014年から釧路管内の森林に野鳥保護区を設置し、1つがいのシマフクロウを保全していますが、未だ周辺は森林伐採など開発の脅威にさらされています。
そこで、持田氏からの寄付金をもとに隣接する土地37.7haを購入し、シマフクロウの生息地の保全を強化することにしました。
※生息地かく乱の恐れがあるため、具体的な地名等の公表は控えさせていただきます。 

130101_持田野鳥保護区シマフクロウ釧路第4_G0017285-Pano.jpg
<シマフクロウの住みかとなるような巨木が林立する豊かな河畔林>

1980年代に当会が始めた、絶滅危惧種の生息地を「野鳥保護区」として丸ごと買い取る活動も今年で30年が経過しました。今回購入した土地を含めると、当会が設置した野鳥保護区は計40か所、総面積は4,000haに達しようとしています。
私たちは、土地の購入後も自然環境が良好に保たれるよう、巡回や調査、適切な管理活動を継続していきます。

詳細は当会プレスリリース資料をご覧ください。
http://www.wbsj.org/activity/press-releases/press-2018-03-23/

【荒 記】
posted by 野鳥保護区事業 at 17:49| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月31日

ねむろバードランドフェスティバル2018に出展

1月26日から28日まで、「ねむろバードランドフェスティバル2018」が根室市で開催されました。
メイン会場では、当会と協定を結び野鳥保護区を設置している日本製紙(株)、(株)明治と共にブース出展し、根室地域でのシマフクロウおよびタンチョウの生息地保全活動を紹介しました。

s-180126-27_ねむろバードランドフェスティバル_DSC_2444.jpg
(左から)当会、日本製紙、明治のブース

日本製紙のブースでは、林業とシマフクロウの生息地保全の両立を図る取り組みを、明治のブースでは、社員ボランティアと取り組む野鳥保護区の環境管理や地域の子どもたちを対象にした自然観察会について、パネル展示を行ないました。
当会のブースには、シマフクロウの子育てを助けるために設置している巣箱を展示し、訪れた約250名の方に当会のレンジャーが活動を紹介しました。
実際にシマフクロウが使用していた巣箱の内部が分かるように裁断した展示の前では、多くの方が足を止め熱心に見入っていました。
また、中に入れるように加工した巣箱では、記念撮影を行なう多くの子どもたちで賑わいました。

s-180126-27_ねむろバードランドフェスティバル_DSC_0232.jpg
巣箱を開くと…中にはシマフクロウの親子が!

27072585_756583941132301_7782866137092751023_n.jpg
ボクもシマフクロウのヒナになったよ〜

ブースを訪れた方々は、シマフクロウの生息数の少なさと開発などによって生息地が失われている厳しい現状に驚き、「何とか絶滅の危機から救ってください!」と励ましの声を頂きました。
また、明治が根室市内に所有する野鳥保護区で、毎年のようにタンチョウが子育てを行ないヒナが巣立っていることに対し、「地元の自然の豊かさを再認識しました」とのコメントも寄せられました。
皆様からのご声援を励みに、これからも私たちは企業や地域の方々と共に、シマフクロウ、タンチョウの保護活動に取り組んで参ります。

【荒 記】
posted by 野鳥保護区事業 at 13:14| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする