2018年06月08日

学生バードソン2018に参加しました

 6月3日にF.Aネットワーク主催の学生バードソン2018に参加しました。学生バードソンとは自然保護のためのチャリティイベントであり、バードウォッチングで出現した野鳥の種数と多くの方々からいただいた募金額の合計により順位を競いあう競技です。鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリは開設時にバードソンで集められた募金を寄付していただいており、そのお礼も込めて現在の学生バードソンにも参加し続けています。今回はラムサール釧路会議25周年ということで、チーム名「ラムサール25」としてサンクチュアリとトラストサルン釧路、支援者を含む6人のメンバーで出場しました。

 競技は限られた時間(12時間)で行われるため、当日までは下見と鶴居村内の方々の野鳥情報の収集を重ね、コースを熟考しました。当日は阿寒湖畔から釧路湿原周辺や鶴居村を通り、厚岸湖・別寒辺牛湿原へ、そこから霧多布湿原へ抜けるというラムサール条約に登録されている湿地を巡ります。天気も快晴で、期待を胸に最初の阿寒湖畔を午前4時半に歩き始めました。早朝にしては鳴き声もあまり聞こえず、予想していた種数は伸びずにまずまずのスタート。
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声の主を探します 

 厚岸湖までのコースの中でいかに山野の野鳥を稼ぐかが大事だと考え、時間配分にも注意して急いで車へ乗りこみます。車内では窓を開け、鳴き声に耳を傾けながら野鳥を探します。車内での話も野鳥のことばかり。車窓から見える自然環境を眺めながら様々な会話が生まれ、ルリビタキはこのあたりで出そうだなと呟いていると、この声に応じたかのように一声さえずってくれました。下見時からルリビタキが出ることは期待薄であったため、驚きと喜びでメンバーの顔に笑みがこぼれます。この出来事を皮切りに、情報で掴んだ種類の野鳥を見るのはもちろんのこと、オシドリ、シマエナガ、ハシビロガモなど予想外の野鳥に会うことが出来ました。
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オシドリ

 厚岸湖・別寒辺牛湿原に到着したのは9時間後のことで、ここまでに75種類の野鳥が出現しました。ここから残された時間は海辺の鳥がメインとなり、少しずつ種数を増やしていきます。霧多布湿原周辺は下見を行っていなかったため、はたして海岸や干潟でどんな野鳥が出るのかドキドキでした。結果はミヤコドリ、メダイチドリ、ホウロクシギなどが出現。双眼鏡やスコープ越しに見る彼らの嘴の形の違いなど個性豊かな姿に一同大盛り上がりでした。最後の到着地では競技終了の5分前にコマドリが一声だけさえずり、運の良い締めくくりになりました。

 最後に鳥合わせをし、確認できた種はなんと89種類。一般部門では堂々の1位でした。道東の自然の素晴らしさ、皆でバードウォッチングすることの楽しさを改めて実感した一日となりました。

 今回の募金先である「NPO法人リトルターン・プロジェクト」は絶滅の恐れのある海鳥、コアジサシ(カモメ科)の生息環境の保全活動を行っています。道東ではタンチョウやシマフクロウ、オオジシギなどの保全活動に取り組んでいますが、これらの野鳥をはじめとした様々な生きものたちが絶滅の危機に瀕しています。今回もコアジサシの生息地の保全のための募金を集め、1種類でも多くの生きものが生息し続けられるよう保全活動に取り組みます。
【記:田島】

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集合写真
                                        

posted by 野鳥保護区事業 at 15:14| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月10日

温根内早瀬保護区で今年も繁殖を確認

10日に温根内早瀬野鳥保護区(鶴居村。19.5ha)へタンチョウの繁殖状況確認のために入りました。ここは一度タンチョウの繁殖が途絶え、周辺丘陵地の開発による土砂流入が原因でハンノキが増えたためと考え、ハンノキ林を伐採しヨシ原を復元したところ、タンチョウが再営巣しています。今回は新任レンジャーへの案内を兼ねて、2年ぶりの現地踏査です。胴長を履き、谷地坊主と呼ばれるスゲ科の株の間の泥地やハンノキ林を抜けて現地へ向かいました。途中ではエゾシカの踏み跡を外れると、背丈を超えるヨシの枯れ茎やホザキシモツケの藪が行く手を阻み、ぬかるみや谷地坊主に足を取られながら、30分ほどで現地へ。

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ホザキシモツケの藪をかわしながら進む

 現地では、ハンノキ伐採後15年以上経過しても、復元されたヨシ原は良い状態を保っていました。今年はタンチョウの気配がないから丘陵地伝いに川の下流部まで探すことになるなあ、と思いながらさらに少し進んだ時、けたたましいタンチョウの警戒音が! 1羽が鳴きながら頭上を飛び越え50mほど離れたところへ着地しました。もう1羽も飛んできました。これは近くにヒナがいる行動です。あわててその場を離れ、少し戻った地点から斜面を上がり、250mほど離れた見晴らしの良い丘からタンチョウを観察しました。

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丘の上から観察

 静かに観察していると、すぐに1羽が最初に飛び立った辺りに戻り、やがてもう1羽も歩いて戻ってきました。すぐに戻った1羽が足元を気にしていて、その後座り込んだ白い背中から茶色の塊が。ヒナです! まだ首が座らない、という感じで生後3日め位の印象です。よく見ていると、親は少し離れてはすぐに同じ所に戻る動きを繰り返していました。まだヒナがうまく動けないのでしょう。親鳥は警戒音の代わりに、喉を鳴らすようなやさしいコロコロ・・・という声を出していました。

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やぶ越しのつがい(60倍ズームで撮影)

この日は1時間ほどの観察時間でヒナは1羽しか見ることはできませんでしたが、今年も繁殖を確認できました。最高気温が一桁の肌寒い日でしたが、レンジャーは温かい気持ちで帰途につきました。(原田記)
posted by 野鳥保護区事業 at 19:29| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月24日

高校生のタンチョウガイド

1月28日、標茶高校の「自然ガイド」の4回目の授業を行ないました。今回は生徒達がこれまで学んできたことをまとめ、観光客にガイドする「タンチョウガイド」をサンクチュアリの給餌場で行ないました。(これまでの授業についてはコチラ

この日は3年生と2年生がガイドをしました。始め観光客に話しかけることに戸惑う2年生に対し、昨年も経験した3年生は積極的に声を掛け、雑談も交えながらガイドをしていました。そんな先輩の姿が刺激になったのか、2年生も次々と声を掛けていくようになり、中には外国人へ英語でのガイドに挑戦する生徒もいました。この日はどのグループも10人程にガイドできたようです。3年生のガイドはこれで終了ですが、今回2年生にはもう一度ガイドをする機会があります。先輩達から「フリップでの解説にとらわれず、会話を楽しむこと」「まずは自分たちがガイドを楽しむこと」と後輩に次回のガイドに向け、エールが送られました。

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実際のタンチョウを活かし、ガイドする3年生(1/28)

2月24日、2年生2回目のタンチョウガイドです。パワーアップした小道具を手にした生徒達に、開始前からレンジャーは驚かされました。前回、外国人にもっとガイドをしてみたいという感想があったこともあり、外国人にも積極的に声を掛けていきます。ガイドの内容も前回よりうまくなっていて、何よりガイドをする生徒も楽しそうでした。そんな高校生の姿に、ガイドを聞いている人の顔も笑顔に変わります。ほとんどの生徒が20人以上の人にガイドを行ない、観光客からは「頑張ってね」「ありがとう」と声を掛けられて満足していただけたようです。
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参加者も体験できるゲームでガイドする生徒(2/24)

ガイドを経験し、来年も同授業を選択することを決めている生徒は「もっと英語でガイドをしたい」と早くも意気込みを語り、そうではない生徒も「この経験を色々なところで活かしていきたい」と今後に向けた感想がありました。

標茶高校での「自然ガイド」の授業はこれからも続きます。今回のガイドを経験した生徒が来年どのようなガイドを行なうのか今から楽しみです。
生徒の皆さんお疲れ様でした。そして楽しいガイドをありがとうございました!
【記:鈴木】

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2年生・3年生で記念撮影(1/28)

posted by 野鳥保護区事業 at 19:21| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする