2016年11月15日

2年目の標茶高校授業

標茶高校の授業「自然ガイド」の2年目が始まりました。好評だった昨年の影響か、今年は16人が受講してくれました。今年の日程は、双方の都合で第1回目を11月7日(月)に、2回目の実習を同12日(土)に、3回目を週明けの14日(月)にと、2週間で3回分を一気に行いました。

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1回目の授業風景

1回目はタンチョウの概要(生態や保護の歴史等)、日本野鳥の会やサンクチュアリ、レンジャーについて紹介した後、タンチョウの食べものについて考えるプログラムを行いました。2回目の実習では、例年より早い積雪の中、まずは町内の大規模な肉牛牧場で牧場長から、近年入り浸るようになったタンチョウについての説明を受けました。高校生は丁度雪の上に残った足跡に「でかっ」とその大きさを実感したようです。  

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牧場敷地内の多数の足跡

続いて鶴居村へ移動し刈取り後のデントコーン畑に集まるタンチョウの群れを観察。この日は300羽以上のオオハクチョウとマガン、ヒシクイも同じ場所で見ることができました。サンクチュアリのネイチャーセンターでは鳴き声としぐさの解説を受けたり、実物と同じ大きさ、重さのタンチョウのぬいぐるみを持って重さを実感してもらいました。そして最後に釧路市タンチョウ鶴自然公園で職員の説明を受け、飼育されているタンチョウを間近で見学しました。ここでは人工飼育により人に慣れていて、威嚇してくる雄のタンチョウがいたため、興奮時の頭の赤い部分の変化や行動をじっくり観察することができました。

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威嚇してくるタンチョウ

実習の感想は「資料やネットと違いインパクトがあり、間近で見れたのは良かった」「毎日家のそばで見かけてはいたが、今日の実習でタンチョウの見方が変わってくると思う」「これからはタンチョウと人間の距離感を考えたい」等とそれぞれがタンチョウについての意識を高めたようです。

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3回目の授業風景。テストをしているみたいですが、企画書づくりです

3回目はガイドに向けて配慮するポイント、よく聞かれる質問の紹介や、動画を見ながらそのしぐさの説明等を行いました。その後各人がやりたい解説テーマとその方法を考える企画書づくりに着手しました。2月のサンクチュアリでのガイド実習に向け、生徒達の自主的な取組みがいよいよスタート。ガイド本番が楽しみです!(原田)
posted by 野鳥保護区事業 at 12:59| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月01日

「千人の森」シマフクロウ巣箱を設置しました。

2016年版「千人の森」Tシャツの販売を通した寄付金で作ることができました、シマフクロウの巣箱を野鳥保護区の森へ設置しました。

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今回、「千人の森」巣箱を設置したのは、天然の営巣木を使って1つがいのシマフクロウが繁殖している「杉本野鳥保護区シマフクロウ釧路第2」の森です。

ご支援いただきました皆さま、本当にありがとうございました。

この保護区のシマフクロウは、天然の樹洞で営巣していますが、今の樹洞が使えなかった場合の予備の巣穴が無い状態でした。これまで、折れて落ちてきた枝が樹洞を塞いでしまって、繁殖を諦めた年もあります。
また今年の春、巣立ち間際の雛が巣の中で、テンに襲われてしまいました。
テンは一度襲った木を覚えていて来年以降も襲われる可能性もあります。引越し先もありませんので、困ったことになってしまいます。

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そこで今回、「千人の森」巣箱を設置して、バックアップの巣穴を確保するとともに、今ある営巣木へもテン除けの対策を施すことになりました。

今回設置した巣箱は、軽量化を図っているものの、大きさはドラム缶1本分くらい。重量は10kgを超えます。
この巣箱を設置できる太い木を探すところから、作業は始まりました。

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シマフクロウの保護区ですので、巨木は何本もあるのですが、巣箱を設置するとなると、いくつもの条件が揃う必要があります。設置する木の前に木や枝があったりして空間が無いと巨大なシマフクロウは巣箱に出入りができませんし、出入り口が南向きでないと吹雪の日に巣箱の中が雪で埋まってしまいます。そんな多くの条件の物件を探して森を歩きまわり、今回選定したのは太くて直立しているエゾマツの木でした。

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装備を整えて木を登っていき、高さ8m程の位置に巣箱を固定します。そして、入口上には屋根型のテン除けを取り付けて、最後に2〜3pの大きさのチップを巣箱の中に敷き詰めました。

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これで、バックアップ用の巣箱が完成です。

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その他にも、元の営巣木も機能させるため、幹回りにトタン板を張り付ける作業も行ないました。これで、テンなどの捕食者は、爪が滑って木に登ることができません。

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今回の活動で、この保護区のシマフクロウのつがいの営巣環境がしっかりとしたものになりました。
年明けから始まる繁殖期に期待です。

【松本記】
posted by 野鳥保護区事業 at 22:32| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月18日

JALの皆さんと自然採食地整備

17日に日本航空(JAL)の社員ボランティアを受け入れ、タンチョウの自然採食地整備を行いました。14人の方が参加しネイチャーセンター(NC)では鶴居村の副村長の歓迎の挨拶をいただき、作業のレクチャーを経て現地へ。今回は下雪裡5号という2012年に川筋の倒木処理等をした場所で、牧草地から小川に下りやすいように、出入口を2カ所造りました。

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作業風景

草地の境界付近のササ刈りや灌木の処理、斜面の低木や枯木の伐採等が見る見るうちに片付いていきます。人数もさることながら皆さんの意欲も高く、聞くと社内での応募者は4倍の人気だったとか。実は今回、作業時間を少し減らして、皆さんに見せたいものがありました。それは、産卵に遡上してきたサケが目の前で見られる光景です。

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産卵のため遡上してきたサケ

この秋、道東を直撃する台風が相次いだせいで増水した川で、サケの捕獲ができない時期が続きました。そのため、上流まで遡上してきたサケが本流の濁った水を避け、幅1m程の小川にまで入り込んで来たのです。地主さんも「ここまで上がってきたのは見た事がない」と言うほど。村内の人には見慣れた光景でも東京からの人には是非見せよう、それも事前には伝えずに現地でびっくりさせよう、と目論んでいました。(この目論見は副村長の挨拶で「丁度沢山サケが上がって来てるから、見て行って!」と暴露され、効果が半減してしまいました)。

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現地で充実の集合写真

サケをじっくり観察した後はNCに戻り、タンチョウへのメッセージや感想をカードに書いてまとめました。「日本一のタンチョウ、安心して空を飛んでください!私達も安心安全に世界を飛びます」と航空会社ならではのメッセージもありました。カードは後日モビールにして展示予定です。

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館内で飛行機型のメッセージカードを手に

今回は、収穫後のデントコーン畑で落ち穂を食べるタンチョウが見られる時期だった事もあり、現地案内と解説も行いました。最後はねぐらで有名な音羽橋へご案内し、ある程度時間を見計らっていたのですが、見事にねぐらへ戻るタンチョウたちが頭上や近くを飛ぶ姿をお見せする事ができました。今度こそびっくりしていただけたと思います。前日の下見でタンチョウたちに言って聞かせた甲斐がありました(^^)。

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音羽橋でねぐら入りを観察

JALといえば尾翼の鶴丸マーク。今回もそれが縁での活動となりました。今後も活動を継続し、多くの方にこの感動とタンチョウの魅力を伝えていきたいと思います。そして自然採食地の充実により、タンチョウの給餌への依存度を下げていきます(原田)。
posted by 野鳥保護区事業 at 16:30| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする