2020年05月19日

オオジシギ調査

 今日は、当会が進める「オオジシギ保護調査プロジェクト」の一環で、オオジシギの調査を行いました。2018年に全道で行った調査と同じ場所で行なうことで、個体数の変化を調べます。

 起床は午前3時半。4時過ぎのネイチャーセンターでは、例年並みの時期に開花した桜とD型倉庫のあたりから日の出が見られました。気温は4℃と冷え込んでいます。鹿児島出身の若いTレンジャーは、「真冬です!」と綿入りズボン。そういう私もオーバーズボン着用です。

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「給餌場前の桜と日の出」

 最初の調査地点では、今季初めてカッコウの声を聞きました。北海道では「キジバトが鳴いたら畑を耕しても良く、カッコウが鳴くと種を蒔いても良い」と云われる、農作業の目安となる鳥です。
しかし10分間の調査でじっとしていると、手はかじかみ耳当ても欲しくなるほど寒い!マスク内は鼻水がダダ洩れです。

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「調査風景」

 この場所は3年前には子連れのタンチョウが観察されています。今日は遠くに2羽のタンチョウがいました。ただ数日前に成鳥2羽だけであることが確認されており、今年は繁殖に失敗したようです。

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「たんちょうのつがい」

 3カ所目は釧路湿原堤防道路上で、関係者から鍵を借りてゲートを開け車で入りました。堤防の斜面では草を食べるエゾシカの姿も見られ、遠くに阿寒の山並みも望める良い場所です(吹きさらしの風がなければ)。記録担当のMレンジャーは、早速風の当たらない斜面を見つけ座ろう(寝転ぼう?)として地面をよく見ると、すごい密度でシカの糞が。残念そうに立ったまま記録していました。

座りたいけど座れない!.jpg
「座りたくても座れない!」

 本日最後の4カ所目の調査地点は、温根内ビジターセンターから湿原内に延びる木道上です。現地へ向かう途中、山沿いの道でコルリの雄2羽が争うシーンや、オオルリやセンダイムシクイをじっくり見られるなど、思わぬ出会いがありました。湿原内はまだ地表近くが新緑という程度で、ヨシ原は枯草色のままです。風景が一面の緑色になるのは、6月中旬位までかかります。

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「温根内木道の様子」

この日の調査では、4カ所で記録されたオオジシギの数は2018年の半分以下でした。風が強かったせいなのか、オーストラリアの森林大火災の影響もあるのか、他地域での調査結果が気になるところです。

【記:原田】

 
posted by 野鳥保護区事業 at 17:28| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月07日

暴風雪後の給餌

 3月5日の暴風雪により、鶴居村は積雪52p、風速は19mを記録しました。今冬最荒れ!?となった翌日、歩いての出勤時はメイン道路から外れると、たちまち膝下まで潜るような状況でした。

 午前9時の1回目の給餌に向かう際には、それでもすでに3羽のタンチョウが待ち構えていました。しかし、餌を載せたソリを出そうと倉庫の扉を開くと、目の前にはいきなり腰位の高さの雪の壁が。まずはスコップで道を作ってからソリを引っ張り出しました。給餌場までの道は風が吹き抜けるため、吹き溜まりでは太ももまで潜り、ソリを押すのに一苦労。給餌場に入っても、いつもの積雪後は、ソリを押してできた圧雪の上に餌のデントコーンをまいていくのですが、今朝はちょっとソリを停めると、すぐに湿った雪がついて滑らなくなり、その度に力一杯ソリを押さなければならず、大汗をかく、なかなかいい運動になりました。

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ソリが重い!

 普段なら3月上旬の給餌は10分もかからないのですが、この日は1時間近くかかりました。特に餌を撒き終えて給餌場から倉庫に戻るまで、湿った新雪に足とソリを取られ、悪戦苦闘している人間に対し、何か変だと感じたタンチョウ達が警戒の声を出すのには「誰のためにやっているのか…」とぼやきたくなる思いでした。

 開設時の共同運営者だった伊藤良孝さんは、雪が深い時には天秤棒にバケツ(満杯で10s)をかけて運び、給餌されていました。かつて私も同じように担いでみたところ、肩に食い込む重さに驚き、数歩歩いてよろけてバケツをひっくり返し、二度と天秤棒は使わない(使えない)と決意したことを思い出しました。改めて伊藤良孝さんが30年間続けられた行為の凄さをかみしめました。

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天秤棒で給餌する、在りし日の伊藤良孝さん

 タンチョウ達は、人間が給餌場に入ると刺激になるようで、この日も70羽ほど飛来したタンチョウの多くが、求愛の時のようにダンスを踊ってくれました。

給餌人が入り興奮して踊るタンチョウ_200306.png
ダンスするタンチョウ

 新型コロナウィルスの影響で、ネイチャーセンターは思わぬ臨時休館中ですが、給餌は予定通りタンチョウがいなくなる3月下旬まで行い、給餌場での観察も可能です。当サンクチュアリのスタッフは、タンチョウ達とともに全員元気です。事態の1日も早い収束を祈っています。
                              【記:原田】

posted by 野鳥保護区事業 at 11:03| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月02日

給餌場以外のタンチョウの利用状況調査

 環境省は、タンチョウの生息地分散を目指して、2015年度から年に1割ずつ給餌量を削減する取り組みを進めています。5割減となった2019年度は、給餌場のタンチョウの総数が少ない傾向にあること、午後2時の給餌以降に飛来数が増えるなどの変化が見られています。今年度も、給餌場とこれまで整備してきた冬期自然採食地を始めとする周辺環境でのタンチョウの利用状況を明らかにするため、調査を実施しました。

 1月に行った調査では、サンクチュアリを利用するタンチョウの半数が、給餌場と隣接する水辺を歩いて行き来していることがわかりました。今回(2月28日)は、給餌場を飛来・飛去する個体の行方を明らかにするため、関係者の皆さんに調査にご協力いただきました。


 当日は、ネイチャーセンター館内からタンチョウの総数と飛来・飛去を確認する班、車巡回班、給餌場から飛去したタンチョウの動きを追跡する定点班(3地点)に分かれました。
 午前9時の給餌時間から調査を開始。給餌場からタンチョウが飛去する毎に、館内から飛んで行く方向を確認します。同時に、方向と羽数の情報を無線で流します。該当する定点班は、双眼鏡で給餌場から飛去したタンチョウの動きを追い、飛翔方向や降りた場所を記録していきます。翼を広げると2 mを超えるタンチョウですが、様々な動きをしているからか見失うこともしばしばありました。


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給餌場から飛去したタンチョウを探す

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無線機を使い、タンチョウの動きを共有

車巡回班は、移動しながら定点班だけでは押さえられない、飛去したタンチョウの動きを追跡。サンクチュアリ周辺の農家敷地や畑を利用するタンチョウの状況も定期的に確認しました。

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凍らない排水路付近を利用するタンチョウ

調査の記録はこれから解析を進め、今後の保護活動に活かしていきます。
午後からは雪も降り、寒い中での調査となりましたが、ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。
【記:田島】






posted by 野鳥保護区事業 at 15:54| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする