2025年03月10日

根室地域の野鳥保護区を拡大

2024年12月、北海道根室地域の計1.3haの土地を渡邊士乃武様からのご寄付を元に購入し、「渡邊野鳥保護区シマフクロウ根室第3」を設置しました。
根室第3地区では、1河川を3つがいのシマフクロウが利用しており、今回の拡張により保全対策が充分でなかった計133.4haの生息地を保全することができました。

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<3つがいのシマフクロウが利用する根室第3地区の森のようす>

また、同じく根室地域の計0.06haの土地を購入し、タンチョウ1つがいが繁殖する「三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽」を拡張しました。
この保護区は三菱UFJ信託銀行からのご寄付を元に設置したもので、今回の購入地を含め計34.9haとなります。
隣接する藤田野鳥保護区酪陽(22.4ha)と合わせて、2つがいのタンチョウが繁殖に利用する湿原を保全することができました。

なお、今回の拡張により、当会が保有する野鳥保護区はちょうど4,000haとなりました。
今後も、民間団体だからこそできる民有地の土地購入を通じて、シマフクロウをはじめとする絶滅危惧種の生息地保全に取り組んでいきます。

当会の野鳥保護区の一覧はこちらからご覧いただけます。
https://www.wbsj.org/activity/conservation/bird-reserve/bird-reserve-list/
posted by 野鳥保護区事業 at 11:32| 野鳥保護区管理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月04日

令和6年度シマフクロウ保護増殖検討会に出席しました

当会は、環境省に認定されたシマフクロウ保護増殖事業者として、野鳥保護区の設置や給餌を行なっています。
この保護増殖事業の令和6年度の実施結果と令和7年度の実施計画について協議する検討会が、2月26日に環境省主催で実施され、当会も関係者として出席しました。

会議では、令和6年度の生息状況調査の結果、標識されたつがいが前年度比6つがい増の88つがい確認されたことが環境省から報告されました(標識のないつがいはさらに約20つがい確認されています)。
また、個体識別のための標識調査で、44羽のヒナに足環標識を装着したことが報告され、この中には、当会が管理を行なう巣箱から巣立った2羽も含まれています。

当会からは、土地の購入やその後の管理等により14つがいの生息地保全に貢献していることや、餌資源を補うために約180kgのヤマメを給餌したことを報告しました。当会は25つがいの保全を目標としており、残り11つがいの保全のために、さらに活動の手を広げていく必要があります。
3月はシマフクロウにとって産卵と抱卵の時期で、まもなく子育てが始まります。
来年度も無事にヒナが巣立つことを願って、調査や給餌等の活動に取り組んでいきます。

検討会の資料は、過去のものを含め下記の環境省HPで閲覧できます(令和6年度のものは3/4時点ではまだ掲載されていません)。
https://hokkaido.env.go.jp/wildlife/post_9_00001.html

また、検討会は公開で実施されており、一般の方もWEBで視聴することができます。
毎年2月〜3月頃に実施されますので、シマフクロウの保護活動の現状についてご興味のある方はぜひ参加してみてください。

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posted by 野鳥保護区事業 at 10:47| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月13日

タンチョウ再発見から100年 記念フォーラムで感謝状をいただきました


2025年2月8日(土)、鶴居村総合センターにて、タンチョウ再発見から100年 記念フォーラム「タンチョウと共に生きる」〜鶴居村だからできる持続可能な取組を探る〜が開催されました。

参加者は約240名で、ウエルカムミニコンサート、俳優の杉田かおる氏と環境省釧路自然環境事務所長の岡野隆弘氏による基調講演、幌呂中学校による学習発表、パネルディスカッション等が行われ、当会はタンチョウ保護に貢献した団体として感謝状をいただきました。

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乱獲等で絶滅したと思われていたタンチョウは、鶴居村や関係者の手厚い保護を受けて生息数を増やし、再発見から81年後の2006年に生息数が1,000羽を超え、現在では約1900羽ほどになりました。一方で、多くのタンチョウが給餌場に集まることで、周辺では農作物への被害が増え、感染症罹患のリスクが大きくなり、保護の課題は個体数の回復から人間との共生やタンチョウ生息域の分散化へと変わっていきました。

鶴居・伊藤タンチョウサンクの原田チーフレンジャーも参加したパネルディスカッションでは、村としての給餌の位置づけ、農場に飛来するタンチョウについての気持ちと農業被害への対応などについて話し合われました。

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村では2018年に「鶴居村タンチョウと共生するむらづくり推進会議」が発足し、保護のあり方、農業との共生、地域振興、地域住民のかかわりなどが官民一体となって検討されています。

私たちは、タンチョウの保護に尽くしてこられた多くの方々の思いを引き継ぎ、関係者一同協力して持続可能な保護への取り組みを模索し実践していきます。

posted by 野鳥保護区事業 at 13:23| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする