2019年09月26日

シマフクロウの給餌場の利用率を調査しました

当会では、2011年から日高地域にある野鳥保護区内でシマフクロウへの給餌を行なっています。当保護区とその周辺では、古くからシマフクロウ1つがいが繁殖していますが、繁殖成功率を上げるには、自然河川での餌資源量の不足分を補うことが必要です。

給餌は、シマフクロウの繁殖の補助に有効でありますが、人馴れや周辺の生態系への影響を及ぼす恐れもあります。そのため、現時点での給餌量が必要最小限の量であるかを検証が必要です。

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○当会の給餌場

そこで、当会は、給餌場に設置した定点カメラの撮影画像を用いて、シマフクロウの給餌場への飛来、飛去時間や滞在時間、飛来回数を解析して、給餌場の利用率と繁殖成否によっての利用の違いについて調査しました。

調査の結果以下の2つの事が分かりました。
@繁殖の成否に関わらず、抱卵期である2月下旬から4月上旬にかけて、給餌場へ滞在する時間も回数も少ない
A繁殖に失敗した年は、繁殖に成功した年と比べて育雛期以降の利用率が低い

以上の事から、シマフクロウの抱卵期に加え、繁殖に失敗した年の育雛期以降は、給餌量を減量または削減しても良いことが考えられました。しかし、現時点では、周辺の自然河川での餌資源量が詳細に分かっていないため、今後も調査を継続し、給餌量を慎重に検討していく必要があります。

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○給餌場を利用するシマフクロウの親子

これらの事を、9月13日〜16日に、東京で開催された日本鳥学会にて、ポスター発表をしました。発表時には、多くの研究者や大学生などから様々な質問やアドバイスをいただけました。議論をする中で深まったことや学んだことを今後の保護活動に役立てていきたいと思います。

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○ポスター発表をするレンジャー

【稲葉記】
posted by 野鳥保護区事業 at 11:23| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月10日

鶴居村の子供達と冬期自然採食地整備

7日に「タンチョウの冬の食事場所をつくろう2019」のイベントを行いました。今回は鶴居村の自然体験活動グループ「サルルンガード」の子供達を中心に小学生20人、保護者の方とサポートの大人で総勢34人の参加となりました。まずはネイチャーセンターで自己紹介の後、自然採食地整備の意義(給餌場の個体数密度を少なくし伝染病等のリスクを下げる事ほか)や作業方法についてのレクチャーをして、現地へ。作業場所は2011年に整備をした「旧雪裡川1号」という場所の下流側の隣接地で、「自然採食地を拡げる」という位置づけです。

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低木を切る子供達

作業前の現地で説明後、3-4年生と5-6年生の2班に分かれて作業開始。まずはノリウツギやホザキシモツケといった、藪を作る2m程の低木を根元から切ります。5-6年生の班では倒木もどかします。30分で低木はなくなり、余裕のある男の子は「もっと切りたい!」と木を探して歩き回っていました。

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倒した木をロープで引っ張る

休憩後には、15m程の高さのシラカバを2本伐り倒しました。木が倒れる方向を見極めながら、大人がチェンソーでゆっくり切ると、最後はメリメリ、ズシーン!と迫力ある音をたてて、無事に川の方へ倒れました。ロープをかけて引っ張り、チェンソーで全体を3つに分けたら、あとは子供達の出番です。ノコギリで枝や幹をさらに細かく切って、集積場所に運びました。

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倒した木を細かくする子供達

作業終了後、見通しが良くなりタンチョウが出入りしやすくなった川岸で、参加者はタンチョウの動きを想像したり、レンジャーから餌となる生き物の説明を受けました。説明中、きれいな流れの中で泳ぐ30p以上のサクラマスを子供が見つけて盛り上がりました。その後ネイチャーセンターへ戻り、今日の感想やタンチョウへのメッセージを書いて、まとめとしました。
「ふとい木をきるのはたいへんでつかれたけど、おもしろかった」「カエル、魚、虫がいたからタンチョウに来てほしい!」「木を引っぱるときも楽しかったです。いっしょうけんめい作ったから、たくさん使ってね!!」「こんな体験ができる鶴居の子供達がうらやましい!」等のメッセージが寄せられました。

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現地での記念写真。充実感に笑顔いっぱいの参加者

これからも、冬の給餌に頼らないで過ごせる自然の餌場(冬期自然採食地)をたくさんの人達と一緒に整備していきたいと思います。

【記:原田】
posted by 野鳥保護区事業 at 12:05| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする