2021年01月25日

標茶高校自然ガイド「タンチョウガイド本番1回目」

レンジャーが非常勤講師として関わる、今年度の標茶高校自然ガイド授業4回目は、1月24日(日)にタンチョウガイドの本番(1回目)を行ないました。受講している2・3年生17人は7班に分かれ、サンクチュアリと鶴見台の2か所で観光客に声をかけ、解説するのです。
どちらの場所も、コロナ禍で海外や道外の観光客はほとんど見かけず昨年の半分以下、という印象でした。でも生徒たちは準備してきたフリップや卵の模型、タンチョウの頭を模した帽子などの小道具を使って話しかけていきます。
DSCN2401T_卵の模型で家族に解説.jpg
実物大の卵を持ってもらう

3年生は昨年の経験があるためか落ち着いていて、解説が終わっても別の話を続けている例もあり、安心して見ていられました。2年生では「時間がないので」とことわられてへこむ班もいましたが、1回経験するとコツをつかんだ様子で、来訪者に次々に声をかけ、解説できるようになりました。
◎_IMG_1118T_子どもの目線に合わせてフリップを見せる.jpg
子供の目線に合わせて解説中

一見こわもて風の男性カメラマンが、4人の女子高生に囲まれてメロメロになっている姿には、大いに共感しました。また、目の前にいるタンチョウの大きさだけでなく、重さ(6〜10s)も実感してもらおうと、2リットルのペットボトル4本に水を詰め, 8kgにしたザックを背負ってもらう工夫には、レンジャーも感心しました。
DSCN2312T_8kgの水を背負って解説.jpg
8kgのザックを背負って解説する生徒(右端)

こうして午前80分、午後60分のガイドの時間はあっという間に過ぎ、各班が5〜7回の解説を行うことができました。最後の集合写真は、皆今年も達成感でいい表情です。最後の振り返りでは「始めは“もう帰りたい”と思っていたけど、どんどん楽しくなった」「ガイド終了後にお客さんから『ありがとう』や『ためになった』という言葉をもらえてうれしかった」「目の前のタンチョウの行動をうまく説明できるようになりたい」といった感想がありました。
DSCN2435_達成感で充実した表情の集合写真.jpg
達成感で充実した表情の集合写真

次回は2年生のみが今回の経験を活かして改良した解説で、2月20日(土)に行う予定です。この時期は求愛ダンスも活発になるので、タンチョウ観察もお薦めです。多くの方に足を運んでもらえると嬉しいです。次回に乞うご期待!【原田記】



posted by 野鳥保護区事業 at 18:57| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月07日

日高地域にシマフクロウの新しい野鳥保護区を設置

当会では、シマフクロウの生息地保全のため、日高地域の2か所の民有林、合計57.1haを購入し野鳥保護区を新たに設置しました。
今回の土地購入資金は、故・小林弘明様からいただきましたご遺贈をもとにしています。

設置した野鳥保護区は、小林様のお名前を冠して、
「小林野鳥保護区シマフクロウ日高第1」(1.7ha)
「小林野鳥保護区シマフクロウ日高第2」(55.4ha)
と名づけ、自然環境を恒久的に保全していきます。

小林野鳥保護区シマフクロウ日高第1.jpg
小林野鳥保護区シマフクロウ日高第1

小林野鳥保護区シマフクロウ日高第2.jpg
小林野鳥保護区シマフクロウ日高第2

シマフクロウの現在の生息数は、未だ約160羽と、まだまだ絶滅の危機に瀕しています。
今回購入した生息地の一つは、近年新たに生息が確認された森ですが、近隣に開発計画が迫っており、予断を許さない状況です。
当会では引き続き周辺部の生息地保全を進めて参ります。

詳しくは、こちら

※広さの参考:1ha=10,000u。東京ディズニーランド=約50ha

【松本記】
posted by 野鳥保護区事業 at 16:59| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする