株式会社明治は、2007年に当会と協定を結び、タンチョウの生息地保全を目的とした野鳥保護区を社有地に設置しています。また、2008年からは、全国の社員や関連会社から有志を募り、湿原や森林の自然環境の管理を継続して実施しています。
タンチョウ1つがいが繁殖する明治野鳥保護区槍昔には、湿原だけでなく深い森林があります。この森林にはエゾフクロウが生息していますが、営巣に適した洞のある大木が少なく、繁殖をしにくい状況です。そのため、2008年に巣箱を設置しましたが、10年が経過し付け替えの時期となっていました。そこで、今回はボランティアの皆さんに巣箱を作成していただき、新しいものへと取り換えました。

●板に書いた設計図に沿ってのこぎりで慎重に切っていきます。
エゾフクロウ用の巣箱は40p×40p×50pの大きなものです。1畳ほどの大きな板から切り出し、設計図をもとに組み立てていきます。ボランティアの皆さんは、巣箱づくりが初めての方がほとんどでしたが、協力し合いながら作業を進め、頑丈な2個の巣箱を作ることができました。
作成した巣箱は、太いミズナラの木の7mほどの高さに設置します。古い巣箱にロープをかけて、ボランティアの皆さんで力を合わせて引き下ろし、新しい巣箱を引き上げて固定しました。古い巣箱を覗いてみると、エゾフクロウの卵のかけらと羽毛が入っていました。今シーズンにも利用していたようです。来る冬からの繁殖期には、新しく取り換えた巣箱を利用してくれるでしょうか。今から楽しみです。
また、巣箱の設置後には、木材を積み重ねて作ったエゾフクロウの狩場を管理する作業を行ないました。これは、木材の隙間にネズミ類を誘い込むことで、エゾフクロウが採餌しやすい環境を作る試みです。しかし、年月とともにササが繁茂し、ネズミ類を見つけにくくなっていました。そこで、ボランティアの皆さんに、鎌を使って狩場の範囲のササを刈っていだきました。

●膝丈ほどに伸びたササを刈りました。
長年、多くのボランティアの方々が活動し続けてきたことで、豊かな自然環境が残る野鳥保護区が維持されています。これからも、竃セ治の社員の皆さんと協力し、様々な生き物が生息する野鳥保護区を守っていきます。

●巣箱を作った証として皆さんのお名前を看板に書きました。
【稲葉記】