2021年05月21日

オオジシギの生息状況調査を実施

 5月20日に、オオジシギの生息状況調査を行いました。オオジシギは、日本とオーストラリアを行き来する渡り鳥です。当会が実施した2020年度の調査では、全道での個体数が、2018年度比で約4割減少していました。越冬地であるオーストラリアの異常気象(乾燥や高温)が原因と考えられています。個体数の回復状況を把握するために、今年度も道内で調査を実施しています。

 オオジシギの活発な活動時間は早朝です。今時期の道東の日の出は4時頃なので、サンクチュアリを4時半に出発して現地に向かいました。

DSCN3809.jpg
日の出後のサンクチュアリ



 オオジシギの生息場所は牧草地や農地、湿地などの開けた環境です。調査地では、10分間に何羽のオオジシギがいるのか、姿や鳴き声を頼りに記録をとります。最初の調査地で耳を傾けてみると、オオジシギ以外にも様々な野鳥の声が聴こえてきました。

P5200176.jpg
立ち止まって耳を澄ませるレンジャー

DSCN3814.jpg
さえずるノゴマ


 釧路湿原が広がる調査地では、ディスプレイフライト(オスがメスに求愛するためにアピールする行動)をするオオジシギの様子を確認しました。急降下する際に尾羽を広げて「ゴゴゴー」と音をたてることから、「雷シギ」とも呼ばれています。まるでジェット機のような大きな音なので、「30cm程の体で、どうしたらそのような音が出せるの?」と聞いてみたくなりました。

DSCN3832C.jpg
急降下するオオジシギ(左が頭部)

DSCN3838.jpg
調査中に現れた1羽のタンチョウ



 最終的に、鶴居村周辺の全ての調査地(4地点)でオオジシギを確認しました。2020年度の調査で確認されたのは、1地点だけだったので、個体数は回復している印象を受けました。はたして全道ではどのような結果になるでしょうか。

DSCN3865.jpg
ブログ執筆中、窓の外で鳴いていたオオジシギ

 当会のオオジシギの保護活動については、以下もぜひご覧ください。

フェイスブック
https://www.facebook.com/wbsjoojishigi/
HP:オオジシギ保護調査プロジェクト
https://www.wbsj.org/activity/conservation/endangered-species/oojishigi-project/
スタンプ:オオジシギのズビャークくん
https://store.line.me/stickershop/product/3174028
【記:田島】



posted by 野鳥保護区事業 at 16:06| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする