2023年12月03日

標茶高校野外実習

 鶴居村に隣接する標茶町にある、標茶高校では、自分たちが住んでいる地域の自然を多くの人に伝える「自然ガイド」について学ぶ授業が選択できます。その授業では、当サンクチュアリのレンジャーが外部講師として、タンチョウガイドの方法等を伝えています。2月と3月には当サンクチュアリと鶴見台で実際に観光客にガイドするという実践的な授業です。
 今回はこの授業の一環として、現地で様々なことを学ぶ野外実習を実施しました。野外実習の目的は、タンチョウの観察や、様々な人からタンチョウに関する話を聞くことで、タンチョウに関する知識や経験を蓄え、ガイド本番に向けた準備をすることです。
 まずはバスで移動しながらタンチョウを探しました。今年度は、バスの中からタンチョウが見られる機会が少なかったですが、見られる場所ではしっかりと観察し、成鳥と幼鳥の違いなど、タンチョウの生態に関する話を聞いて知識を深めていました。また、移動中に立ち寄った場所で、タンチョウのことをとても大事にしている地域の方からもお話を聞くことができ、レンジャーや学校の先生からは聞くことのできない、地域住民の気持ちも知ることができました。

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<地元の方のお話を聞く生徒達>


 タンチョウを観察した後は、本番の日にガイドを行う当サンクチュアリの給餌場と鶴見台や、タンチョウの生態に関する展示のある鶴居村の公共施設「みなくる」に向かいました。これらの場所では、ガイド本番のイメージ固めや、ガイドのための細かな情報収集をしました。生徒達からは「こんな小道具も使えるね」「この情報は伝えられると面白そう」などと本番をかなり意識した会話が聞こえてきて、頼もしい限りでした。

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<鶴見台の解説中>


 最後は、鶴居村の酪農家さんのもとへ訪れ、その方とタンチョウのかかわりについて話を伺いました。酪農家さんにとってタンチョウは、牛を驚かしてけがをさせられたり、春先には牛の餌となるデントコーンの芽を食べられたりと、腹立たしく思う反面、毎年顔を出すタンチョウがいなかったら少し心配になるなどの、様々な面からのお話をしていただくことができました。人とタンチョウとのかかわり方について、考えてもらうきっかけになったのではないかと思います。

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<酪農家さんのお話を聞く生徒達>


 今回の野外実習では、タンチョウの生態だけでなく、タンチョウにかかわる人たちにも話を聞くことができました。1つの視点だけではなく、いろんな立場の方の考えを聞けたことは、自分なりの考えを持って他の人に伝えるための、良い刺激になったのではないかと思います。ガイド当日は、今回感じたこと等も踏まえて、自分達らしくタンチョウについて伝えてくれることを楽しみにしています。
posted by 野鳥保護区事業 at 16:16| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする