2024年08月05日

日本製紙株式会社とスポットセンサス調査を実施

当会は、2024年2月に日本製紙株式会社と北海道・道東の森林(約2,000ha)における、「シマフクロウの生息地保全と日本製紙株式会社の木材生産事業の両立に関する覚書」を更新しました。

この覚書を締結した森林に生息する鳥類相を調べるために、日本製紙株式会社の皆様にご協力いただき、6月と7月に鳥類のスポットセンサス調査を行いました。
スポットセンサス調査とは、調査地内に定点を設け、その周辺にいる鳥類を記録する手法です。
この森林では、2016年から4年ごとに調査を実施しており、今年は3度目の調査でした。

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<スポットセンサス調査のようす>

調査結果を見ると、針葉樹林ではヒガラやルリビタキ、河畔林ではセンダイムシクイやキセキレイ、広葉樹林ではアオジやヤブサメと環境によって優占種や出現種が異なることがわかります。
シマフクロウが生息するためには、餌となる魚が獲れる河川、子育てをする樹洞ができやすい広葉樹、冬でも葉が落ちず姿を隠せる針葉樹といった複数の環境が必要です。そして、これらの環境を維持することは、それぞれの環境を利用する他の鳥類の生息地を守ることに繋がるのです。

次回の調査は4年後となりますが、多様な鳥類相が生息できる環境を維持するために活動を続けていきます。



posted by 野鳥保護区事業 at 10:48| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする