当会が保護活動を行っている北海道日高地域の河川では、シマフクロウの餌となる魚類の資源量を把握するための調査を毎月実施しています(魚類の捕獲は北海道から特別採捕許可を受けて実施しています)。
先月の調査では、ハナカジカをなんと20個体も確認しました。ハナカジカは石や砂利がゴロゴロとした河川の川底にいることが多く、シマフクロウにとって重要な餌資源のひとつです。
これだけたくさんのハナカジカを一度に見ていると、体色が白く縞模様が目立つ個体や、全身が黒っぽい個体まで、個体によって体色や模様が異なることに気が付きます。
<白く模様が目立つハナカジカ>
<全身が黒っぽいハナカジカ>
<褐色のハナカジカ>
この体色や模様は、彼らが川底にいるときに周りの石や砂利にとても馴染み、保護色となります。川の上から見ていると全く気が付かないほどだったので、これを夜に見つけて捕まえるシマフクロウの目の良さに感心しました。
<川の中でのカジカ類のようす>
調査対象の河川には、エゾハナカジカとハナカジカが生息しており、エゾハナカジカは、川で生まれた後、海に下って成長してから再び川に戻ってきます。その際に、河川に段差などの工作物があると遡上できなくなってしまいます。
そのような河川では、魚道整備などの取り組みが行われています。
シマフクロウの保護のためには、彼らの餌となる魚類が生息できる環境の保全が必要なのです。