2018年10月12日

(株)明治の社員ボランティアとのエコアップ活動

 10月9日、株式会社明治の社員ボランティア10名が根室市内の「明治野鳥保護区槍昔」を訪れ、エゾフクロウの巣箱づくりと、狩場づくりを行ないました。
 株式会社明治は、2007年に当会と協定を結び、タンチョウの生息地保全を目的とした野鳥保護区を社有地に設置しています。また、2008年からは、全国の社員や関連会社から有志を募り、湿原や森林の自然環境の管理を継続して実施しています。

 タンチョウ1つがいが繁殖する明治野鳥保護区槍昔には、湿原だけでなく深い森林があります。この森林にはエゾフクロウが生息していますが、営巣に適した洞のある大木が少なく、繁殖をしにくい状況です。そのため、2008年に巣箱を設置しましたが、10年が経過し付け替えの時期となっていました。そこで、今回はボランティアの皆さんに巣箱を作成していただき、新しいものへと取り換えました。

社員ボランティア.jpg
●板に書いた設計図に沿ってのこぎりで慎重に切っていきます。

 エゾフクロウ用の巣箱は40p×40p×50pの大きなものです。1畳ほどの大きな板から切り出し、設計図をもとに組み立てていきます。ボランティアの皆さんは、巣箱づくりが初めての方がほとんどでしたが、協力し合いながら作業を進め、頑丈な2個の巣箱を作ることができました。

 作成した巣箱は、太いミズナラの木の7mほどの高さに設置します。古い巣箱にロープをかけて、ボランティアの皆さんで力を合わせて引き下ろし、新しい巣箱を引き上げて固定しました。古い巣箱を覗いてみると、エゾフクロウの卵のかけらと羽毛が入っていました。今シーズンにも利用していたようです。来る冬からの繁殖期には、新しく取り換えた巣箱を利用してくれるでしょうか。今から楽しみです。


 また、巣箱の設置後には、木材を積み重ねて作ったエゾフクロウの狩場を管理する作業を行ないました。これは、木材の隙間にネズミ類を誘い込むことで、エゾフクロウが採餌しやすい環境を作る試みです。しかし、年月とともにササが繁茂し、ネズミ類を見つけにくくなっていました。そこで、ボランティアの皆さんに、鎌を使って狩場の範囲のササを刈っていだきました。

社員ボランティア2.jpg
●膝丈ほどに伸びたササを刈りました。

 長年、多くのボランティアの方々が活動し続けてきたことで、豊かな自然環境が残る野鳥保護区が維持されています。これからも、竃セ治の社員の皆さんと協力し、様々な生き物が生息する野鳥保護区を守っていきます。

社員ボランティア3.jpg
●巣箱を作った証として皆さんのお名前を看板に書きました。


【稲葉記】
posted by 野鳥保護区事業 at 13:12| 野鳥保護区管理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月18日

(株)明治と取り組むエコアップ活動

 6月14日、全国から集まった株式会社明治の社員ボランティア10名の方々と、野鳥保護区の自然環境をより良い状態にするための「エコアップ」活動を実施しました。
この活動は、2007年に当会と同社が協定を結び、2つの野鳥保護区を設置した翌年の2008年から継続して実施しています。

 22回目となる今回は、根室市街からほど近い「明治野鳥保護区牧の内」で、植樹と植栽地の草刈りを行ないました。
当保護区は根室市の取水源となるタンネ沼、オンネ沼を取り囲むように位置しているため、水源となる周辺の森を守り育んでいく必要があります。
当日は天候にも恵まれ、これまでのボランティアで最多となる300本のトドマツ、ミズナラなど5種類の苗木を植えることができました。

s-180614-15_明治牧の内_第22回社員ボランティア_DSC_3011.jpg
●苗木を植える前に、まずは300個の穴を掘らなければなりません。これが大変!

 保護区では毎年、根室地域の子どもたちを対象に自然観察会と植樹体験を実施していますが、苗木が周りのササや雑草に負けずに成長できるよう、除草を続けなければなりません。
機械を使うと苗木まで刈ってしまう恐れがあるため、鎌を使い手作業で丁寧に刈り取っていきます。
私たちレンジャー3人では膨大な時間を要する作業も、ボランティアの皆さんの力を借りてあっという間に終えることができました。

s-180614-15_明治牧の内_第22回社員ボランティア_JDS_0258.jpg
●厳しい環境下で苗木はゆっくり成長します。ササ丈を超えるまで、こうした管理作業を続けます。

 作業の合間には保護区を散策し、ハクサンチドリなど初夏の草花、アオジやウグイスのさえずりを楽しみました。
植樹中にも上空をオジロワシやオオジシギが飛び交い、移動中の車窓からもタンチョウのつがいを間近に観察することができ、ボランティアの方々に保護区の豊かな自然を実感していただくことができました。

s-180614-15_明治牧の内_第22回社員ボランティア_JDS_0123.jpg
●この時期にしては珍しく霧が晴れ、保護区の全景と太平洋まで見渡すことができました。

 当日は強風にも負けず、笑顔で作業を続けて下さったボランティアの皆さん、ありがとうございました!
日々の生活や業務の中で、身近な自然や生きものに目を向けるなど、自然保護を意識するきっかけになれば嬉しく思います。

【荒 記】
posted by 野鳥保護区事業 at 11:37| 野鳥保護区管理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月27日

2016年12 月 [野鳥保護区内] のストリートビューが公開されました。

@渡邊野鳥保護区フレシマ A株式会社明治野鳥保護区牧の内 B株式会社明治野鳥保護区槍昔C渡邊野鳥保護区ソウサンベツがGoogleストリートビューでご覧いただけるようになりました。

ストリートビューは、Googleが提供するGoogleマップの機能の一つで、街中や観光名所、そして今回公開される野鳥保護区をその場にいるかのように360度のパノラマ写真でご覧いただけるサービスです。
ストリートビューを見るには、Googleマップで[野鳥保護区名] を検索し、表示された地図上に黄色い人型のアイコン「ペグマン」をかざして置いていただくことで、その地点のストリートビューをご覧いただくことができます。

今回公開された 野鳥保護区 のストリートビューは、Googleの※1「ストリートビュートレッカーパートナープログラム」に当会 が参加し撮影しています。
撮影は10月から約一週間かけて、野鳥保護区の湿原や草原、森林を、ストリートビュー撮影用機材「トレッカー」を担いで歩きながら撮影しました。
希少鳥類の生息地保全のため、通常は立ち入ることのできない野鳥保護区の自然を間近に感じることができますので、ぜひご覧ください。


@渡邊野鳥保護区フレシマ
フレシマは、1つがいのタンチョウが繁殖に利用する203.7haの野鳥保護区で、湿原から草原、森林に至るまでの多様な環境を一体として保全しています。保護区内では、植生管理のために馬を放牧しており、雄大な自然と共に北海道の原風景とも言える景色を眺めることができます。

01_フレシマ.jpg
☆植生管理のために放牧している馬

02_フレシマ.jpg
☆太平洋を臨んだ撮影場所

A株式会社明治野鳥保護区牧の内
牧の内は、2つがいのタンチョウが繁殖に利用する235.5haの野鳥保護区で、所有者である竃セ治と当会が協定により保全しています。当保護区は、根室市街地に隣接していますが、湿原や草原には数多くの野鳥が繁殖し、太平洋を望むタンネ沼やオンネ沼の畔では、オジロワシも繁殖するなど、豊かな自然が残されています。

03_牧の内.jpg
☆タンネ沼が一望できる風景

04_牧の内.JPG
☆友知湾を背景にした撮影場所

B株式会社明治野鳥保護区槍昔
槍昔は231.8haの野鳥保護区で、竃セ治と協定により保全しています。当保護区はラムサール条約湿地である「春国岱・風蓮湖」の湿地と深い森林が広がっており、湿地では1つがいのタンチョウ、沿岸部の樹上にはオジロワシ、森林ではエゾフクロウがそれぞれの環境を利用して繁殖しています。

05_槍昔.jpg
☆風蓮湖に流れ込む川の河口部から森林を臨む風景

C渡邊野鳥保護区ソウサンベツ
ソウサンベツは368.1haと当会で最大の野鳥保護区です。当保護区はラムサール湿地「春国岱・風蓮湖」の沿岸部に面しており、湖の沿岸を利用して2つがいのタンチョウが繁殖しています。

06_ソウサンベツ.jpg
☆厚床沼川の河口部から風蓮湖を臨む風景

07_ソウサンベツ.jpg
☆沿岸部の林道を歩く撮影地


※1ストリートビュートレッカーパートナープログラムは、ストリートビューの撮影を希望する観光協会、非営利団体、大学、研究機関などにGoogle がバックパック型のストリートビュー撮影機材「トレッカー」を無償で貸出すプログラムです。
https://www.google.co.jp/intl/ja/maps/about/partners/streetview/trekker/
posted by 野鳥保護区事業 at 18:09| 野鳥保護区管理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする