2019年11月21日

今年度も標茶高校「自然ガイド」の授業を実施中

標茶高校の「自然ガイド」という授業では、高校生が冬にサンクチュアリでタンチョウのガイドを行うプログラムがあります。レンジャーも講師として関わっており、今年で5年目を迎えました。一昨年からは2年生の「自然ガイド入門」に加え、ガイドを一度経験している3年生への「自然ガイド応用」も開設されています。11月14日、16日に行った2回の授業の内容を紹介します。

1回目の授業では、はじめに、レンジャーが去年の授業の様子や野鳥の会について紹介しました。その後、タンチョウの知識を深めてもらう2つのプログラムを3年生が進行しました。
1つ目は「タンチョウの食べ物なぁに?」を実施。2年生からは、「タンチョウの食べる物の種類の多さに驚いた」「硬いものをすり潰すために砂利を食べる必要があることを学んだ」などの感想がありました。

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食べる物、食べない物などを丁寧に解説

2つ目は「タンチョウ今昔物語」という紙芝居を3年生が実演しました。「タンチョウが数を減らしたのも増加しているのも人間の行動によるものということが印象に残った」「身近にいるタンチョウを私たちが守らないといけないという使命感が湧いた」など、2年生はタンチョウの保護活動の歴史、人との関わりを知ることができたようです。

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紙芝居を熱演する3年生

2回目の授業では、地元の農家の方やタンチョウに関する施設をバスで回る野外実習を実施しました。標茶町の牧場の方には、敷地内へ侵入するタンチョウのこと、タンチョウへの想いを話してもらいました。生徒たちは多くの質問をしながら貴重な話に耳を傾けていました。標茶町から鶴居村への移動中は、刈り取り後のデントコーン畑にいるタンチョウの家族を観察。3年生にはタンチョウの特徴やこの時期の動きについて解説してもらいました。タンチョウによる農業被害についてはレンジャーが説明し、現状と諸問題について知ってもらいました。

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牧場内に侵入したタンチョウを観察

サンクチュアリに立ち寄った後は、阿寒国際ツルセンターの見学に行き、職員から館内の展示や飼育しているタンチョウの行動の解説を受けました。タンチョウに関わる様々な立場の方からのお話を通して、生徒たちは多くのことを学んでいました。

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解説を聞きながら熱心にメモをとる生徒たち

3回目の授業では、動画を見ながら3年生にタンチョウの求愛ダンスなどの行動を解説してもらいます。3年生には、去年の経験も踏まえ、2年生へのプログラムの進行や解説を授業の中で担当してもらっています。主体的に授業に関わっているため意識が高く、2年生にも良い刺激となっているようです。1月26日と2月29日のガイド本番が楽しみです。無料で行っていますので、興味のある方は、ぜひサンクチュアリへお越しください。
【記:田島】

posted by 野鳥保護区事業 at 22:47| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月24日

JALの皆さんと冬期自然採食地の整備

17日に、日本航空株式会社(JAL)の社員ボランティアの皆さんと冬期自然採食地の整備に取り組みました。同社のCSR(社会貢献活動)の一環として2016年度以降毎年協力していただいており、今年で4年目となりました。地元の釧路以外にも、札幌や東京など遠方から総勢16名の社員の皆さんに、作業をお手伝いいただきました。

今年度の作業場所はタンチョウのねぐらとして有名な音羽橋の近くに位置する採食地で、これまで十数羽のタンチョウの利用が確認されている場所です。生い茂っている低木や藪を鎌やノコギリで刈り、タンチョウが牧草地から採食地内の排水路へ出入りしやすい空間を造りました。また、排水路内にかかる倒木をノコギリで枝払いをし、太い倒木はチェーンソーで伐り倒しロープで引っ張り上げた後に玉切りを行いました。

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倒木が除去されタンチョウが利用しやすい空間に

タンチョウのためにと熱い想いを持った皆さんの作業のおかげで開けた空間が完成し、既存の採食地を拡大することができました。冬に設置するタイマーカメラに、さらに多くのタンチョウの利用が確認できるか楽しみです。

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完成した採食地の中で記念撮影

ネイチャーセンターに戻った後は、作業の感想やタンチョウへの想いをメッセージカードに書いてもらいました。
以下にいくつかご紹介します。
「より自然に近い環境でタンチョウの個体数が増えていけるよう、採食地の整備に貢献できて良かった」「タンチョウが整備した採食地を餌場として選んでくれたら嬉しい」「人生で初めてタンチョウを見ることができ、想像以上の白さと大きさに感動した」

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皆さんの手にはたくさんのメッセージが

センターでの作業後は、ねぐらへと帰るタンチョウを見に出発。途中で村内の刈り取り後のデントコーン畑に集まるタンチョウの餌を食べる姿などを観察しました。幼鳥を連れた家族が目の前を通り過ぎる場面もあり、終始大盛り上がりでした。

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望遠鏡を使いデントコーン畑にいるタンチョウを観察

日の入り時刻にはタンチョウのねぐら場所である音羽橋へ移動し、上空を次々に飛ぶ群れを眺めました。天候にも恵まれ、ねぐらへと帰るタンチョウの優雅な姿に、皆さんは寒さを忘れるくらい感動していました。

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音羽橋でねぐらへ帰るタンチョウを待ちます

今後もタンチョウの魅力や保護の大切さを伝えると共に、冬期自然採食地の取り組みを通して、多くの方とタンチョウの保護活動を進めていきます。ご協力いただいたJALの皆さん、どうもありがとうございました。
【田島記】







posted by 野鳥保護区事業 at 14:26| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月10日

鶴居村の子供達と冬期自然採食地整備

7日に「タンチョウの冬の食事場所をつくろう2019」のイベントを行いました。今回は鶴居村の自然体験活動グループ「サルルンガード」の子供達を中心に小学生20人、保護者の方とサポートの大人で総勢34人の参加となりました。まずはネイチャーセンターで自己紹介の後、自然採食地整備の意義(給餌場の個体数密度を少なくし伝染病等のリスクを下げる事ほか)や作業方法についてのレクチャーをして、現地へ。作業場所は2011年に整備をした「旧雪裡川1号」という場所の下流側の隣接地で、「自然採食地を拡げる」という位置づけです。

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低木を切る子供達

作業前の現地で説明後、3-4年生と5-6年生の2班に分かれて作業開始。まずはノリウツギやホザキシモツケといった、藪を作る2m程の低木を根元から切ります。5-6年生の班では倒木もどかします。30分で低木はなくなり、余裕のある男の子は「もっと切りたい!」と木を探して歩き回っていました。

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倒した木をロープで引っ張る

休憩後には、15m程の高さのシラカバを2本伐り倒しました。木が倒れる方向を見極めながら、大人がチェンソーでゆっくり切ると、最後はメリメリ、ズシーン!と迫力ある音をたてて、無事に川の方へ倒れました。ロープをかけて引っ張り、チェンソーで全体を3つに分けたら、あとは子供達の出番です。ノコギリで枝や幹をさらに細かく切って、集積場所に運びました。

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倒した木を細かくする子供達

作業終了後、見通しが良くなりタンチョウが出入りしやすくなった川岸で、参加者はタンチョウの動きを想像したり、レンジャーから餌となる生き物の説明を受けました。説明中、きれいな流れの中で泳ぐ30p以上のサクラマスを子供が見つけて盛り上がりました。その後ネイチャーセンターへ戻り、今日の感想やタンチョウへのメッセージを書いて、まとめとしました。
「ふとい木をきるのはたいへんでつかれたけど、おもしろかった」「カエル、魚、虫がいたからタンチョウに来てほしい!」「木を引っぱるときも楽しかったです。いっしょうけんめい作ったから、たくさん使ってね!!」「こんな体験ができる鶴居の子供達がうらやましい!」等のメッセージが寄せられました。

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現地での記念写真。充実感に笑顔いっぱいの参加者

これからも、冬の給餌に頼らないで過ごせる自然の餌場(冬期自然採食地)をたくさんの人達と一緒に整備していきたいと思います。

【記:原田】
posted by 野鳥保護区事業 at 12:05| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする