2025年02月13日

タンチョウ再発見から100年 記念フォーラムで感謝状をいただきました


2025年2月8日(土)、鶴居村総合センターにて、タンチョウ再発見から100年 記念フォーラム「タンチョウと共に生きる」〜鶴居村だからできる持続可能な取組を探る〜が開催されました。

参加者は約240名で、ウエルカムミニコンサート、俳優の杉田かおる氏と環境省釧路自然環境事務所長の岡野隆弘氏による基調講演、幌呂中学校による学習発表、パネルディスカッション等が行われ、当会はタンチョウ保護に貢献した団体として感謝状をいただきました。

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乱獲等で絶滅したと思われていたタンチョウは、鶴居村や関係者の手厚い保護を受けて生息数を増やし、再発見から81年後の2006年に生息数が1,000羽を超え、現在では約1900羽ほどになりました。一方で、多くのタンチョウが給餌場に集まることで、周辺では農作物への被害が増え、感染症罹患のリスクが大きくなり、保護の課題は個体数の回復から人間との共生やタンチョウ生息域の分散化へと変わっていきました。

鶴居・伊藤タンチョウサンクの原田チーフレンジャーも参加したパネルディスカッションでは、村としての給餌の位置づけ、農場に飛来するタンチョウについての気持ちと農業被害への対応などについて話し合われました。

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村では2018年に「鶴居村タンチョウと共生するむらづくり推進会議」が発足し、保護のあり方、農業との共生、地域振興、地域住民のかかわりなどが官民一体となって検討されています。

私たちは、タンチョウの保護に尽くしてこられた多くの方々の思いを引き継ぎ、関係者一同協力して持続可能な保護への取り組みを模索し実践していきます。

posted by 野鳥保護区事業 at 13:23| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年10月12日

渡邊野鳥保護区フレシマが「さわやか自然百景」で紹介されます

根室市の太平洋岸、ホロニタイ川流域に広がるフレシマの湿原群。
6月にNHKの「さわやか自然百景」の撮影が行なわれました。
カイツブリやシマセンニュウ、ノビタキが子育てする、
フレシマでも一番にぎわう季節でした。
10/13(日)の朝の放送されますので、ぜひご覧ください。

【放送日】
10月13日(日)午前 7:45〜7:59 NHK総合テレビ
10月21日(月)午前 4:00〜4:14 NHK総合テレビ

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posted by 野鳥保護区事業 at 12:02| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月30日

「FAワークキャンプ2024年夏」

 8月19日〜8月23日の5日間、フィールド・アシスタント・ネットワーク(以下、F.A.N)の夏のワークキャンプを実施しました。F.A.Nは、自然保護のために首都圏の大学生が集まって設立されたネットワークです。鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリでは毎年夏と春の2回、F.A.Nに所属する学生のワークキャンプを行なっています。

 今回の主な活動は、ネイチャーセンター内壁のペンキ塗りと老朽化したタンチョウ型凧の修理、そしてタンチョウの冬期自然採食地の整備です。
 ネイチャーセンターの内壁は以前から以前から少し汚れが気になっていたため、この機会に学生たちの若いパワーを借りて、綺麗に塗り替えてもらいました。とはいえ、今まで誰もペンキでの壁塗りを経験したことがなく、かなり手探り状態でのスタートでした。しかし、塗り始めてみると案外順調で、みるみるうちに壁が綺麗に塗り上がっていきました。
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<ペンキ塗りの様子>


学生たちも、普段はすることのない作業を手際よく、楽しそうにしていたのでとても安心しました。
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<意外と楽しいペンキ塗り>


 ネイチャーセンターのペンキ塗りが時間的にかなり余裕をもって終了したので、これも以前から気になっていた、タンチョウ型の凧の修理も学生たちにしてもらいました。この凧はネイチャーセンターの天井からつるしている展示物なのですが、経年劣化により一部穴が開いたり、黄ばんでいたりしていました。
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<劣化したタンチョウ凧>

学生たちの柔軟な頭で考え出された修理方法は、習字の半紙を上から重ね、羽の黒い部分は墨汁で黒く塗るというものでした。
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<貼ったり塗ったりしています>


この方法が成功し、かわいそうなくらい劣化していたタンチョウが、綺麗な白い姿を取り戻すことができました。タンチョウの顔もどこか嬉しそうに見えてきますね。(笑)
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<こんなにきれいになりました!>


 最後の作業はタンチョウの冬期自然採食地整備です。冬期自然採食地とは、タンチョウが冬でも給餌に頼らず自分たちで餌を採れるように当会で整備している水辺のことです。その冬期自然採食地の整備を学生たちと共に実施しました。整備内容は、小川の流れを蛇行させ、環境に多様性を持たせるための堰作りや、エゾアカガエルが越冬するための落葉かごの設置、水生昆虫の隠れ場所となる、かかり木の設置です。
堰作りは以前も違う場所で行っていましたが、今回もさらに多様性を持たせるということで、前回よりも下流側に追加で設置しました。メンバーには一度経験したことのある学生もいたため、かなり手際よく進めることができました。
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<堰作り>


落葉かごの設置は今回の新たな試みです。エゾアカガエルが川底の落葉の下で越冬するという生態を活かし、落ち葉を敷き詰めた網かごを水辺に設置することでカエルの数が増えていかないかと考えています。
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<落葉かご>


増水などで流されないように、堰の下流部など流れの緩やかなところにピンやひもで固定しました。新しい試みのため、どのような結果となるかは今後のお楽しみです。
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<流れの少ないところに固定中>


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<カエルが使ってくれますように>


 以上のように、5日間を通して様々な経験をしてもらいました。活動を終えて感想を聞く中でも「とても有意義な時間が過ごせたと思う」という声が多く聞かれ、学生たちの今後にも繋がる、良いワークキャンプだったのではないかと思います。
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<最後はみんなで集合写真>

posted by 野鳥保護区事業 at 13:16| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする