2021年10月17日

JALの皆さんと自然採食地整備

15日に日本航空(JAL)の社員ボランティアの皆さんと、タンチョウの自然採食地(採食地)整備を行いました。JALといえば尾翼の鶴丸マーク。それがご縁で、今年で6年目の活動となります。コロナ禍の影響で、道内からのみ10人の方が参加されました。ネイチャーセンター(NC)では鶴居村村長の歓迎のご挨拶をいただき、作業のレクチャーを経て現地へ。今回はサンクチュアリ給餌場裏手のサンクチュアリ1号という場所です。ここは、サンクチュアリ開設時の共同運営者だった伊藤良孝氏(故人)の提案で、1993年に初めて水辺の藪払いをした記念すべき採食地です。最近では2015年に学生ボランティアの方と作業をしています。
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作業風景

いつもより少ない人数ながらも、旧河川の河原だった区域で、灌木や斜面の低木の伐採等が、見る見るうちに片付いていきます。作業後の集合写真撮影の後「ここはサンクチュアリのHPのライブカメラでも紹介していますが、10分毎の撮影時間が間もなくです。」「ライブカメラに写るの? ポーズ取ろうポーズ!」「そろそろですよ・・・。多分、今写ったはずです・・・」
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ライブカメラに写った皆さん ※HP上では10分毎に上書きされます

帰り道はサンクチュアリ2号という採食地を通り、タンチョウ達が出入りする斜面を上がって給餌場へ。NCに戻り、タンチョウへのメッセージや感想をカードに書いてまとめました。「タンチョウさん!! 今年も素晴らしい餌場ができましたよ。みんなで仲良く使って下さいね!!」といった、暖かいメッセージもありました。
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館内で飛行機型のカードを手にした皆さん(撮影時だけマスクを外しました)

館内でのまとめを経て、お楽しみの野外観察です。この時期鶴居村では、収穫後のデントコーン畑で落ち穂を食べるタンチョウが見られます。地元の方や交通の迷惑にならない場所で車を停め、しばらく車内で様子を見てから、車から降りても逃げないと判断して、全員で畑の縁から観察しました。頭の茶色い幼鳥を1羽連れた家族を含む、十数羽がじっくり見られました。やがてねぐら方向へ飛び立った3羽が、私たちの頭上を2回、3回と飛んでくれ、歓声が上がりました。律義なタンチョウが、JALの皆さんにお礼を伝えたかったに違いありません(^^)。
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律義にお礼に来た? 3羽

最後はねぐらで有名な音羽橋へご案内し、夕日をバックに飛ぶタンチョウやねぐらに下りる様子を見ていただきました。ある程度時間を見計らっていたのですが、前日の下見では多くの飛来が見られた時間を過ぎても、今日はなかなか飛んで来てくれません。
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夕方の音羽橋(右2羽はオオハクチョウ) 

見事な夕焼けや川を渡るエゾシカなどを見ながら待つ事十数分。鳴き声と共にタンチョウたちが飛んで来る姿をお見せする事ができました。はじめは数羽だったタンチョウは、気が付けば60羽近くになっていました。ねぐら入りを堪能し、解散となりました。
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夕焼けがきれいでした

JALの皆さんとは今後も活動を継続し、多くの方にこの感動とタンチョウの魅力を伝えていきたいと思います。そして自然採食地の充実により、タンチョウの給餌への依存度を下げていきます(原田)。
posted by 野鳥保護区事業 at 13:28| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月07日

「第26回タンチョウイラスト展」をたんちょう釧路空港で開催中

 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリでは、タンチョウが生息する地域の子どもたちにタンチョウへの興味・関心をもってもらうため、タンチョウのイラストを募集し、作品展を開催しています。1994年から始まったこの取り組みは、今回で26回目を迎え、道東の小・中学生を中心に621点もの作品が集まりました。

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たんちょう釧路空港で展示中(9月26日まで)

 このイラスト展は、1年がかりで道東の自然系施設などを巡回しています。今回の巡回最後の展示施設であるたんちょう釧路空港では、9月4日(土)から26日(日)まで、3階ロビー(2階エスカレーターを登って左側)で開催中です。 

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ずらっと並んだ作品は見応えがあります

 イラストをじっくり見てみると、タンチョウの飛翔や求愛ダンス、湿原で子育てする姿など四季を問わない作品からキャラクターのようにデフォルメされたものまで、バラエティに富んだ作品ばかり。「すごい発想力!」「面白い!」「可愛らしい!」と感じる個性的なイラストは、ずっと眺めていられます。
 空港へお立ち寄りの際は、ぜひご覧ください。

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様々な表情のタンチョウたち
【記:田島】
posted by 野鳥保護区事業 at 09:55| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月03日

「フィールド・アシスタント・ネットワーク」オンラインワークキャンプを実施

 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ(以下サンクチュアリ)では、例年、大学生の自然保護ボランティア団体「フィールド・アシスタント・ネットワーク(以下F.A.ネットワーク)」のワークキャンプを受け入れています。F.A.ネットワークは大学生が中心となり、自然保護団体への協力、自然保護に貢献できる人材の育成等を目的に活動する団体です。コロナ禍で昨年度は開催できませんでしたが、今夏はオンラインで5日間(8月23日〜27日)に渡り、実施しました。
 
 初日は、参加者3名との自己紹介後、オリエンテーションを行いました。普段のワークキャンプでは、冬期自然採食地(以下 採食地)の整備や調査などを手伝ってもらっています。今回は、現地での作業ができないため、インバウンド向けの英文パンフレットを製作してもらうことになりました。

 最初の3日間は「当会とサンクチュアリのタンチョウの保護活動」や「タンチョウの生態や保護の歴史」、「採食地の取り組み」に関するセミナーを行い、英文パンフレットの内容やレイアウトを考えてもらいました。また、3日目の夜は、交流会を通してレンジャーと学生の親睦を深めました。


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質問形式で説明するレンジャー

 4日目以降は、いよいよ英訳作業です。最終日まで何度も校正を重ね、無事にパンフレットが完成しました。開館期間(10月〜3月)中、ネイチャーセンターへ訪れた外国人に、配布する予定です。

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完成したパンフレット

 以下は、参加者の感想です。
 「タンチョウについての理解を深められた」「オンラインという形でも、活動に参加できたことは大変良い機会になった」「保全活動に携わる方々の努力を、身をもって経験できた」「パンフレットの英訳は専門用語が多く、難しかった」
 初めてのオンライン開催でしたが、参加者はタンチョウの魅力や当会の保護活動について学べたようです。中には、タンチョウの調査や研究がしたいと意欲的な学生も出てきてくれました。
 コロナが落ち着いたら、対面のワークキャンプで、タンチョウの保護活動を体験してもらいたいと思います。
 協力してくれた学生の皆さん、5日間ありがとうございました。お疲れ様でした。
【記:田島】


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記念撮影






posted by 野鳥保護区事業 at 17:11| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする