2011年09月19日

シギ・チドリ調査が終了しました

 春国岱ネイチャーセンターでは、極東などの湿地で繁殖し、
越冬のためにオーストラリアなどに渡っていくシギ・チドリ類の
個体数のカウント調査を行っています。
 渡りの時期である8月から9月初旬にかけて、風蓮湖・春国岱を一周
しながら4回調査を行っています。今年度は9月11日に最後の調査を終
えました。出現種数は15種ほどで、昨年度の22種に比べ少なくなりま
した。
 この調査、シギ・チドリ類の重要な渡りの中継地の1つである
風蓮湖・春国岱の変化をモニタリングする目的で、1998年から毎年継続
して行っています。地盤沈下などで、日々変化し続けている春国岱の
干潟生態系の変化を把握し、保全の基礎資料を得るため、今後も継続
して調査を行っていきます。


トウネンのコピー.jpg
○写真は春国岱の浜辺を歩くトウネン


【松岡 記】
posted by 野鳥保護区事業 at 20:16| 春国岱原生野鳥公園 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月19日

セリ科の植物とウリハムシモドキ

8月16日に春国岱のパトロールを行いました。

春国岱ではハマニンニクが穂をつけるなど、少しずつ秋の様相に変わろうとしています。

そんな中、草原でウリハムシモドキの大群を発見しました。
下の写真がそのウリハムシモドキです。
(似ている昆虫の名前に「モドキ」とつけるのは昆虫の世界ではよくあることです。)
ウリハムシモドキ.jpg



ハムシの仲間にはある植物を専門的に食べる(スペシャリストといいます)ものがおり、
例をあげるとウリハムシはウリ科の植物を好んで食べることが報告されています。

では、このウリハムシモドキは何か専門的に食べるものがあるのでしょうか?
原色日本甲虫図鑑で調べてみたところ、
マメ類・サトウダイコン・ハッカ・マメ科牧草・林床の苗木など、極めて多食
という風に記述がありました。
ですが、私が見た実際の印象は違いました。
下の写真はマルバトウキ(セリ科)に密集するウリハムシモドキです。
CIMG7685.JPG

近くにはハマエンドウなどもありましたが、ここまで密集はしていませんでした。
中にはハマボウフウ(セリ科)にもこのウリハムシモドキがたくさん付くという
話も聞きました。

もしかしたら、この虫をしっかり研究したならば、「セリ科を好んで食す」というデータが取れる
かもしれません。



もし、皆さんも身近なもので何か気づいたことがあればじっくり調べてみてはどうでしょうか?
もしかしたら、図鑑に載っていないような新しい発見があるかもしれません。

<松岡 記>
posted by 野鳥保護区事業 at 14:52| 春国岱原生野鳥公園 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月12日

森林の中の宝石

8月に入り、北海道でも30℃を越す日も出てきました。
そんな中、春国岱ネイチャーセンター横の自然学習林では
美しい生き物が姿を見せるようになりました。

その生き物とはイトトンボの仲間です。
自然学習林では2種類のイトトンボを確認することができました。

CIMG7557.JPG
上の写真はアオイトトンボです。胸部にとても美しいエメラルドグリーンの金属光沢があります。
東海地方では5月上旬から10月末頃までみられますが、釧路湿原などでは7月中旬頃
から羽化がはじまります。

もう1種類はルリイトトンボです。
名称未設定 1のコピー.jpg
名称未設定 2のコピー.jpg

青色がオスで緑色がメスです。
オスは「ルリ(瑠璃)」の名に恥じない美しい青色をしています。
個体によってはメスも青いことがあるので見分けには注意が必要です。
見分けるポイントはお尻と精巣の有無ですが、今回は省略させていただきます。

日本では北海道と岐阜、福井の県境地域以北の本州に分布していますが、
本州ではほとんどが標高の高い場所でしか見られません。
涼しいところが得意なトンボですが、彼らにとって今年の猛暑はどう感じているのでしょうか?

ぜひ皆さんもネイチャーセンター横の自然学習林で生きた宝石たちの生活を覗いて見てください。

<松岡 記>



posted by 野鳥保護区事業 at 17:30| 春国岱原生野鳥公園 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする