7月30日、春国岱ではアッケシソウの根元が赤く色づきはじめているのが
確認できました。アッケシソウは秋になると全身赤く変色し、その姿から
サンゴソウとも呼ばれています。アッケシソウが自生できる環境は、満潮水位時の海水面に
接する陸地部分である塩湿地です。非常に生育可能な環境が限られています。
アッケシソウは元々1891年に北海道大学の宮部金吾氏によって
厚岸町の厚岸湖のカキ島で発見され、その地名にちなんで
「アッケシソウ」と名づけられました。
その後、野付半島、温根沼、風蓮湖などでも分布が確認されていきました。
北海道以外では宮城県・愛媛県・香川県の塩田跡地で生育が確認されていましたが
その塩田跡地の開発によってその場所ではほとんど絶滅に近い状況だとされています。
(岡山県では大きな群落で自生している場所もあるそうです)
近年では環境省のレッドデータブックで近い将来絶滅の危険が高い種として記載されています。
春国岱でも今後も残り続けるのかはわかりません。
皆さんももし機会がありましたら、アッケシソウの貴重な自生地である春国岱へ足を運んで
みてください。
<松岡 記>
写真は7月30日でのアッケシソウです。根元から赤く色づきはじめているのが見えます。
2011年02月19日
氷の世界とタンチョウ
3年ぶりに流氷が接岸した根室。
湖面も海面も真っ白な氷に覆われた景色の中、春国岱にタンチョウのつがいがやって来ました。
このつがい、オスの脚に「026」の足環がつけられています。
026といえば、ここ数年、春国岱周辺を落ち着きなく動き回っている個体です。
昨年の夏も、春国岱に縄張りを持つ他のつがいの目を盗んでは、あちらこちらの湿地でエサをとっていました。
今年、春国岱に一番乗りを果たした026のつがい。
年齢が若いこともあり、これまでなかなか条件の良い縄張りを確保することができなかった彼らですが、もしかしたら今春こそ、春国岱に新居をと目論んでいるのかもしれません。
流氷に吹雪と、根室の厳しい冬はもう少しだけ続きそうです。
氷の世界に現れたタンチョウたちに、思わずエールを送りたくなりました。
※衰弱や異常な行動は確認されませんでした。
<大熊記>
湖面も海面も真っ白な氷に覆われた景色の中、春国岱にタンチョウのつがいがやって来ました。
このつがい、オスの脚に「026」の足環がつけられています。
026といえば、ここ数年、春国岱周辺を落ち着きなく動き回っている個体です。
昨年の夏も、春国岱に縄張りを持つ他のつがいの目を盗んでは、あちらこちらの湿地でエサをとっていました。
今年、春国岱に一番乗りを果たした026のつがい。
年齢が若いこともあり、これまでなかなか条件の良い縄張りを確保することができなかった彼らですが、もしかしたら今春こそ、春国岱に新居をと目論んでいるのかもしれません。
流氷に吹雪と、根室の厳しい冬はもう少しだけ続きそうです。
氷の世界に現れたタンチョウたちに、思わずエールを送りたくなりました。
※衰弱や異常な行動は確認されませんでした。
<大熊記>
2011年01月16日
氷の世界。
暖かい日が続き、なかなか結氷しなかった風蓮湖。
年明けの冷え込みで、一気に雪と氷に覆われた世界となりました。
春国岱に面する湖面もこのとおりです。
あれほど湖面を賑わせていたオナガガモやヒドリガモは本州へと南下し、すっかりその姿を見かけなくなりました。
そのかわり、春国岱を挟んだ反対側のオホーツクの海面では、氷の塊を避けながら採餌をする海ガモたちの逞しい姿を見ることができます。
オオワシ、オジロワシの数も増えてきました。(写真はオオワシ)
冬の凛とした空気の中、「キョキョキョキョ……」というワシの声が響き渡ります。
風蓮湖では今年もいよいよ凍った湖面の下に網を仕掛けて魚を捕る「氷下待ち網漁」が始まりました。
おこぼれの魚を狙って、これから更に多くのワシたちが風蓮湖に集まります。
1月22日には、今年最初のオオワシ・オジロワシ飛来数調査を予定しています。
どのくらいのワシが観察できるのか、結果にご期待ください。
なお、根室の気温は日中でもマイナスです。
バードウォッチングの際には、防寒対策をお忘れなく。
手袋、帽子、厚手の靴下があれば、バードウォッチングをより一層楽しめます。
冬用の靴や長靴もあると便利です。
【今日の気温】
最高気温:-0.8℃
最低気温:-10.5℃
<大熊記>
年明けの冷え込みで、一気に雪と氷に覆われた世界となりました。
春国岱に面する湖面もこのとおりです。
あれほど湖面を賑わせていたオナガガモやヒドリガモは本州へと南下し、すっかりその姿を見かけなくなりました。
そのかわり、春国岱を挟んだ反対側のオホーツクの海面では、氷の塊を避けながら採餌をする海ガモたちの逞しい姿を見ることができます。
オオワシ、オジロワシの数も増えてきました。(写真はオオワシ)
冬の凛とした空気の中、「キョキョキョキョ……」というワシの声が響き渡ります。
風蓮湖では今年もいよいよ凍った湖面の下に網を仕掛けて魚を捕る「氷下待ち網漁」が始まりました。
おこぼれの魚を狙って、これから更に多くのワシたちが風蓮湖に集まります。
1月22日には、今年最初のオオワシ・オジロワシ飛来数調査を予定しています。
どのくらいのワシが観察できるのか、結果にご期待ください。
なお、根室の気温は日中でもマイナスです。
バードウォッチングの際には、防寒対策をお忘れなく。
手袋、帽子、厚手の靴下があれば、バードウォッチングをより一層楽しめます。
冬用の靴や長靴もあると便利です。
【今日の気温】
最高気温:-0.8℃
最低気温:-10.5℃
<大熊記>