ワークキャンプの活動最終日となる5日目は、明治野鳥保護区槍昔(以下:槍昔)内にあるタンチョウが繁殖する湿原の現況確認です。
槍昔内の湿原では2010年以降タンチョウの繁殖が成功しておらず、湿原やその周辺環境に変化があるのではないかと考えました。夏季に湿原を歩くことはタンチョウの繁殖阻害に繋がる可能性があるため、タンチョウが越冬地へ移動している冬季にワークキャンプを通して湿原の調査を行なうことにしました。
当日は、森林を1時間ほど歩き風蓮湖畔の湿原部へ向かい、森林の状態やタンチョウが繁殖できそうな湿原はあるかなどを調べました。
当たり一面雪に覆われていますが、雪原からわずかに見えるヨシ原の痕跡などを頼りに、
夏期に湿原になりそうな場所を地図上に記録します。風蓮湖へと流れる川沿いに大きな湿原となりそうな場所が広がっているのを確認でき、実際に現地を歩く大切さを実感できました。

■川沿いに広がる湿原跡
また、湿原に隣接する森林の樹種や樹高、胸高直径を計測し森林の状態を記録します。河畔林のほとんどはハンノキ林ですが、場所により樹高や木の密度が異なっていました。樹高が10mに満たない場所では、木の密度が高くタンチョウが利用できる場所はなさそうですが、20m程の林では木の密度が低く、採餌や休息場所として利用できるはずです。

■釣竿を用いて木の密度を測る

■木の胸高直径の計測
今回の調査において、これまで確認できていなかった新たな湿原部を含めて、タンチョウが繁殖に利用できる湿原は十分あると考えられました。そのため、タンチョウの繁殖率の低下の要因には、槍昔を利用するタンチョウのつがい自身にあることや、餌資源量、外敵などが考えられます。
そして、今回のような現地の基礎情報を記録する調査を5〜10年毎に行うことで、野鳥保護区の自然環境を正確に把握することができます。
最終日もスノーシューを履き雪原を歩き回る調査となりましたが、最後まで頑張ってやりきることができました。学生のみなさん、本当にありがとうございました。

■活動を終えて記念撮影
【山岸記】
posted by 野鳥保護区事業 at 10:58|
その他
|

|