2月23日はワークキャンプの最終日です。この日は、野外活動は無く、朝から宿泊していた野鳥保護区事業所の大掃除を行ないました。その後は、アンケートや今回の活動の振り返りを行ない、参加した6名の学生は根室を後にしました。
参加した学生からは、
「実際に現場に行き自然保護活動に取り組むことで、自然保護に対する自分の考えが深められた」「大学の講義で環境問題について考える機会はあったが、現場からの視点の捉え方、考えた方、対応の仕方などの話を聞くことができ勉強になった」「実際に開発現場や計画地をみることで、開発問題に対して考えるきっかけをもらえて嬉しかった」「根室の自然を満喫できた」
などのたくさんの感想を聞くことが出来ました。
今回参加した皆さんは、今後どのような道を歩むかはわかりませんが、このワークキャンプで学んだことを、これからの生活にいかして欲しいと思います。
一週間という長いようであっという間の期間でしたが、学生のみなさん、本当にお疲れ様でした。また、一緒に活動できることを楽しみにしています。
■最後の記念撮影
【山岸記】
2015年02月25日
F.A.Nワークキャンプ5日目(2月21日)
ワークキャンプの活動最終日となる5日目は、明治野鳥保護区槍昔(以下:槍昔)内にあるタンチョウが繁殖する湿原の現況確認です。
槍昔内の湿原では2010年以降タンチョウの繁殖が成功しておらず、湿原やその周辺環境に変化があるのではないかと考えました。夏季に湿原を歩くことはタンチョウの繁殖阻害に繋がる可能性があるため、タンチョウが越冬地へ移動している冬季にワークキャンプを通して湿原の調査を行なうことにしました。
当日は、森林を1時間ほど歩き風蓮湖畔の湿原部へ向かい、森林の状態やタンチョウが繁殖できそうな湿原はあるかなどを調べました。
当たり一面雪に覆われていますが、雪原からわずかに見えるヨシ原の痕跡などを頼りに、
夏期に湿原になりそうな場所を地図上に記録します。風蓮湖へと流れる川沿いに大きな湿原となりそうな場所が広がっているのを確認でき、実際に現地を歩く大切さを実感できました。
■川沿いに広がる湿原跡
また、湿原に隣接する森林の樹種や樹高、胸高直径を計測し森林の状態を記録します。河畔林のほとんどはハンノキ林ですが、場所により樹高や木の密度が異なっていました。樹高が10mに満たない場所では、木の密度が高くタンチョウが利用できる場所はなさそうですが、20m程の林では木の密度が低く、採餌や休息場所として利用できるはずです。
■釣竿を用いて木の密度を測る
■木の胸高直径の計測
今回の調査において、これまで確認できていなかった新たな湿原部を含めて、タンチョウが繁殖に利用できる湿原は十分あると考えられました。そのため、タンチョウの繁殖率の低下の要因には、槍昔を利用するタンチョウのつがい自身にあることや、餌資源量、外敵などが考えられます。
そして、今回のような現地の基礎情報を記録する調査を5〜10年毎に行うことで、野鳥保護区の自然環境を正確に把握することができます。
最終日もスノーシューを履き雪原を歩き回る調査となりましたが、最後まで頑張ってやりきることができました。学生のみなさん、本当にありがとうございました。
■活動を終えて記念撮影
【山岸記】
槍昔内の湿原では2010年以降タンチョウの繁殖が成功しておらず、湿原やその周辺環境に変化があるのではないかと考えました。夏季に湿原を歩くことはタンチョウの繁殖阻害に繋がる可能性があるため、タンチョウが越冬地へ移動している冬季にワークキャンプを通して湿原の調査を行なうことにしました。
当日は、森林を1時間ほど歩き風蓮湖畔の湿原部へ向かい、森林の状態やタンチョウが繁殖できそうな湿原はあるかなどを調べました。
当たり一面雪に覆われていますが、雪原からわずかに見えるヨシ原の痕跡などを頼りに、
夏期に湿原になりそうな場所を地図上に記録します。風蓮湖へと流れる川沿いに大きな湿原となりそうな場所が広がっているのを確認でき、実際に現地を歩く大切さを実感できました。
■川沿いに広がる湿原跡
また、湿原に隣接する森林の樹種や樹高、胸高直径を計測し森林の状態を記録します。河畔林のほとんどはハンノキ林ですが、場所により樹高や木の密度が異なっていました。樹高が10mに満たない場所では、木の密度が高くタンチョウが利用できる場所はなさそうですが、20m程の林では木の密度が低く、採餌や休息場所として利用できるはずです。
■釣竿を用いて木の密度を測る
■木の胸高直径の計測
今回の調査において、これまで確認できていなかった新たな湿原部を含めて、タンチョウが繁殖に利用できる湿原は十分あると考えられました。そのため、タンチョウの繁殖率の低下の要因には、槍昔を利用するタンチョウのつがい自身にあることや、餌資源量、外敵などが考えられます。
そして、今回のような現地の基礎情報を記録する調査を5〜10年毎に行うことで、野鳥保護区の自然環境を正確に把握することができます。
最終日もスノーシューを履き雪原を歩き回る調査となりましたが、最後まで頑張ってやりきることができました。学生のみなさん、本当にありがとうございました。
■活動を終えて記念撮影
【山岸記】
2015年02月24日
FAワークキャンプ4日目 2月20日
4日目は、2014年に設置した「野鳥保護区ヤウシュベツ」の土地境界を実際に歩き、境界線や現状を把握するという作業を行いました。
「野鳥保護区ヤウシュベツ」は、根室市の隣町の別海町にある「渡邊野鳥保護区ヤウシュベツ」に隣接し、2つがいのタンチョウを保護している場所です。
今回は2班に分かれ、GPSと地図を見ながら土地の境界線を歩きます。
そして、15〜20mごとにスプレーで立木に目印をつけていきました。
☆スプレーで樹皮に印をつけます
平坦な場所を歩くだけなら簡単ですが、スノーシュー(かんじきのようなもの)を履き、坂を上下し、林を迂回しながら雪上を歩く作業は中々骨が折れます。
☆枝にも、雪にも注意が必要
そんな中、学生からは保護区の設置の仕方から、樹種に関する質問など様々な質問があり、疲れを見せず意欲的に活動してくれました。
作業の終了直前、学生の一人が進行方向にエゾフクロウを発見!なんと、境界線上の木にエゾフクロウがいました。すかさず、無線でもう一班に連絡し、全員で静かに観察を開始。頑張った褒美をくれるなんて、サービスのいい森だねと冗談を言いながら、怪我もなく作業を終えることができました。
☆作業中も常に笑顔!
実際に境界線を歩いてみると、すぐ隣は牧草地や道路だったりと、人の生活のすぐ隣にタンチョウやエゾフクロウがすむ貴重な自然があることを再確認することができました。
☆保護区と牧草地の明確な境界
そして、今回の作業では、保護区を設置することの意義や、現場を見ることの重要性を学生たちに体感してもらうことができました。
次回は、最後の野外活動についてご報告いたします!
【野田記】