2019年08月30日

「フィールド・アシスタント・ネットワーク」の夏ワークキャンプを実施

 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリでは、毎年春と夏に大学生の自然保護ボランティア団体「フィールド・アシスタント・ネットワーク(以下FAネットワーク)」のワークキャンプの受け入れをしています。FAネットワークは大学生が中心となり、自然保護団体への協力、自然保護に貢献にできる人材の育成等を目的として活動している団体です。今夏は8月20日〜24日までの5日間、実施しました。

 初日のオリエンテーションでは、タンチョウの生態や保護の歴史、当会のこれまでの保護活動、冬期自然採食地(以下自然採食地)の保全の取り組みについて等をレンジャーが説明し、理解を深めてもらいました。

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説明後は多くの質問が飛び交いました

 2日目は、車で釧路湿原をぐるっと1周する野外セミナーで、タンチョウの生息環境や歴史、保護活動について知ってもらいました。鶴居村内の農家の方からは、タンチョウの農業被害やタンチョウへの想いを語っていただきました。釧路湿原を一望できる展望台では、学生たちは湿原の雄大さを肌で実感できたようです。また、湿原の集水域での森づくりや自然再生事業の現場を通して国立公園の現状や諸問題についても学んでもらいました。道中は様々な種類の生きものにも出会え、大興奮の学生たちでした。

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釧路湿原を見渡す学生たち

 3日目は、タンチョウが冬期に給餌場以外で自然の餌を食べられる環境である、自然採食地の整備に取り組みました。ノコギリで川にかかる倒木切りや鎌で斜面の藪払いをすることで、タンチョウが採食地内で餌を採れる環境と採食地への出入口を造ることができました。作業中はタンチョウが真上を飛び、学生たちが盛り上がる場面もあり、作業後の記念撮影ではレンジャーがカメラのセルフタイマーに間に合わない等、笑いも交えながらの作業となりました。夜は懇親会が行われ、学生たちは地域の方との交流を深めました。

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集合写真は作業後の採食地にて撮影

 4日目は、館内の展示物の補修と給餌場周辺の作業を手伝ってもらいました。サンクチュアリ周辺では杭打ち作業を行うことで、冬期の給餌場付近の路上駐車・カメラマンの侵入等防止等、年々増えている来訪者が安全にタンチョウを観察できる場所を設けることができました。

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協力しながら重い杭を打ち込みます

最終日は、インタビューを通して活動の振り返りを行いました。学生からは、「鶴居村とタンチョウの関わりを学ぶことができた」「実際にどのような環境整備を行っているのか体験できて良い機会になった」「生態系全体を包括して思考し、地域社会との関係も含めて保全を行う必要と、それらの普及啓発に取り組むことが重要だと感じた」「自分たちの行動がタンチョウや環境保全に役立つと嬉しい」「地域の人々との関わりの大切さを学ぶことができた」など多くの感想が上がりました。

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ネイチャーセンター前で記念撮影

鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリは、開設時から支援者や学生ボランティアをはじめとした多くの方の支えのおかげでタンチョウの保護活動に取り組むことができています。雨に打たれながらの野外作業もありましたが、協力してくれた学生の皆さん、5日間ありがとうございました。お疲れ様でした。
【記:田島】



posted by 野鳥保護区事業 at 16:22| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月14日

タンチョウ、オジロワシ繁殖状況調査

 当会では、毎年5月から7月、風蓮湖に隣接する株式会社明治野鳥保護区槍昔から渡邊野鳥保護区ソウサンベツにかけて、タンチョウ、オジロワシの繁殖状況調査を実施しています。本調査は、タンチョウやオジロワシが保護区をどのように利用しているかを把握することが目的で、陸からの観察と地元の漁師さんのご協力を得て船の上から観察をしています。

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○船上からの調査風景

 本年は、タンチョウが4つがい確認され、その内1つがいでヒナ1羽が確認できました。そして、オジロワシは、3つがい確認され、全てのつがいでヒナを1羽ずつ確認し、それぞれで巣立ちが確認されました。

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○湖岸で休むタンチョウのつがい

 風蓮湖は、多くのタンチョウやオジロワシが繁殖地や餌場として利用しています。タンチョウやオジロワシは、生態系の中でも上位に位置する種です。この2種が生息していることは、風蓮湖に豊かな生態系が維持されている証拠になります。
 当会では、引き続き野鳥保護区周辺の調査を続けてまいります。

【稲葉記】
posted by 野鳥保護区事業 at 11:07| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月16日

シマフクロウ用の給餌場に魚を追加

7月11日、持田野鳥保護区シマフクロウ日高第1に設置しているシマフクロウ用の給餌場に魚を追加してきました。

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●ヤマメ30kgを追加しました

シマフクロウの生息地には、大径木を有する森林のほかに、餌となる魚類が豊富いる河川がないといけません。河川内には、体長10cm以上の魚が最低30尾/100u、1,300g/100u以上の密度でいることが必要です。

私たちは、当保護区内を流れる河川にて魚類調査を実施しました。調査では、ヤマメやハナカジカなどが見られ、その量は23尾/100u、500g/100uでした。現段階では、繁殖に必要な魚の量を満たしていません。

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●調査ではハナカジカが多く見られました

そのため、当会では、2012年から繁殖期の餌不足の補助のため給餌をしています。

給餌しているヤマメは、当会が販売するTシャツ「千人の森」で集まった寄付金をもとに購入しています。Tシャツ1枚につき、250円が餌代として寄付される仕組みで、1枚でヤマメ2尾分となり、1,000人のご購入で繁殖期1シーズンを補えることができます。

詳しくはこちら

多くの方々からご協力頂いている千人の森Tシャツによって、シマフクロウの保護活動の力になっています。現在、道内のシマフクロウの個体数は、約160羽と非常に少なく、絶滅の危機に瀕しています。今後も、当会では、シマフクロウの生息地保全のために、活動を続けてまいります。


【稲葉記】
posted by 野鳥保護区事業 at 17:27| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする