2022年12月14日

生け簀にヤマメを追加

11月21日、日高地域に設置している給餌生け簀にヤマメを30キロ追加しました。

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このヤマメは、当会が販売しているTシャツやトートバッグの売り上げで購入されています。
千人のかたに購入していただくことで、シマフクロウの夫婦とヒナ1羽が半年間食べるヤマメ約100キロ購入することができます。

シマフクロウたちにとって、今は来年の子育てに向けて栄養を蓄える時期です。
これからやってくる北海道の厳しい寒さを、たくさんのヤマメを食べて乗り越え、来年の子育てを成功させてほしいです。


引き続きみなさまのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
「千人の森」寄付つきTシャツ、トートバッグはこちらから購入できます。
https://www.birdshop.jp/fs/wildbird/c/gr445
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posted by 野鳥保護区事業 at 13:57| シマフクロウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月04日

標茶高校の生徒と野外授業

11月26日、標茶高校の講師としてレンジャーが野外授業を行ないました。標茶高校では1月と2月に2・3年生の生徒がサンクチュアリや鶴見台の給餌場で来訪者に対してタンチョウガイドをしています。解説するためにはタンチョウのことを詳しく知る必要があるので、10月から計3回レンジャーが講師として授業を行なっています。今回はその2回目、生のタンチョウを観察するために鶴居村周辺を中心とした野外授業を行ないました。

初めに、道中で見つけたタンチョウの家族を観察しました。バスが近づいても全く気にしない家族であったため、バスの中からじっくりと観察することができました。成鳥と幼鳥の違いや繁殖についての話をして、タンチョウの知識を深めてもらいました。
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バスの中からタンチョウを観察

次に、タンチョウのねぐらとして有名な音羽橋へと向かいました。タンチョウはどうして川の中で眠るのか、どうやって寝ているのかを解説しました。タンチョウの一日の暮らしについて質問をしてくる来訪者は多くいます。そんな質問にもしっかりと答えられるように、実際のねぐらを見てタンチョウの暮らしぶりを知ってもらいました。
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音羽橋からタンチョウのねぐらを見る

次に、鶴見台とサンクチュアリを訪れました。この2か所は実際に解説を行なう場所なので、しっかりと下見をしてもらいました。サンクチュアリにはネイチャーセンターがあるため、館内の様子も説明しました。給餌場には残念ながらタンチョウは飛来していなかったので、詳しい行動の解説をできませんでした。それでも、実際に解説を行なうネイチャーセンター内の様子や給餌場の様子を確認できたので、本番のイメージは固まったと思います。
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実際に解説を行なう鶴見台を見学

続いてサンクチュアリの近くにある「みなくる」という施設内の展示物をみてもらいました。ここでは実際のタンチョウの重さや、よく通るタンチョウの鳴き声の秘密について知ることのできる体験型の展示物があるため、身をもってタンチョウのことを学んでもらえました。また、骨格標本や繁殖の様子を再現した展示物もあり、タンチョウの生態や体のしくみについても詳しく知ることができました。
よくとおる鳴き声の秘密を知る.JPG
よく通る鳴き声の秘密を知る

最後に、農家とタンチョウとの関わりを学んでもらうために酪農家さんから直接お話しを聞きました。酪農家さんは、「はじめは牛を驚かしたり、播種したデントコーンを食べたりしてしまうタンチョウを腹立たしく思うこともあった。でも、生態を知ることでうまく共生できることを知ったし、今ではタンチョウの姿が見えないと心配になることもある。解説をする皆さんには、共生のことについてもしっかりと伝えてほしい。」と仰っていました。酪農家さんの生の声は高校生にかなり響いたようで、たくさんの質問もありました。
酪農家さんから直接お話を聞く.JPG
酪農家さんから直接お話を聞く

今回の野外学習は、解説本番に向けてかなり刺激になったことと思います。タンチョウの基本的な情報や生態だけでなく、人との軋轢や関わり方についても実際の現場を訪れることで深く印象に残ったのではないでしょうか。こうした野外学習での経験をしっかりと解説に活かし、来訪者に伝えてもらえたらと思います。(田中)



posted by 野鳥保護区事業 at 15:10| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月13日

鶴居村と長沼町の子ども達の交流イベント

11月5日・6日の2日間で「第5回長沼町×鶴居村タンチョウ子ども交流ツアー」を行ないました。これは、「KODOMO湿地交流つるい委員会」で行なっている他地域の子ども達との交流事業の一環で、レンジャーも委員として関わっています。
 長沼町と鶴居村の子ども達が交流するイベントは今回で5回目になります。長沼町では、洪水防止対策で造成された遊水地にタンチョウが飛来したのをきっかけに、タンチョウのすめる町づくりを進めています。2018年からは、タンチョウを通して長沼町と鶴居村の子ども達との交流が始まりました。近年はコロナの影響でオンラインによる交流しかできませんでしたが、ようやく今年、直接会っての交流ができるようになりました。長沼町の子ども達に鶴居村を訪問してもらい、鶴居村の子ども達とタンチョウの観察やタンチョウのための採食地整備を行ないました。
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たくさんのタンチョウに大興奮の子ども達

1日目は、デントコーン畑に集まっているタンチョウや、タンチョウのねぐら入りの様子を観察しました。一度にこんなにもたくさんのタンチョウを見たことがない長沼町の子ども達は大興奮。タンチョウを見慣れている鶴居村の子ども達も、ねぐらに飛んでくるタンチョウの多さに圧倒され、大満足の観察となりました。
 2日目は、タンチョウの冬期自然採食地整備を行ないました。今回は水辺の藪を払うことで、タンチョウの歩きやすい環境を整備することが目的です。足場の悪い場所でノコギリを使用しての作業となるため、しっかり安全管理についての説明をしました。足場の悪い場所での注意点や、ノコギリの使い方をマスターしてから、いよいよ整備開始です。
 子ども達は、昨日の野外観察の疲れも見せずどんどん藪を切り開いていきました。ノコギリを上手に使いこなして、太くて大きな藪も易々と切り倒していきます。しぶとく残っていた大きな根っこも、みんなで協力して掘り起こしていました。おかげで、あっという間に藪は切り開かれ、タンチョウの歩きやすい環境を作ることができました。
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整備の様子

整備後は、タンチョウになった気分で整備した場所を歩いてみました。作業中は見る暇もなかった小川をのぞいてみると、大きな魚が…!!正体は、遡上中のサケでした。子ども達の整備した小川は、豊富な餌資源によってタンチョウを支えていることがよくわかる良い経験となりました。
整備後の集合写真_DSCN8318.jpg
整備後の集合写真

今回は長沼町の子ども達に鶴居村を訪れてもらい、タンチョウの観察やタンチョウのための採食地整備をしてもらいました。来年は鶴居村の子ども達を長沼町へ連れていき、長沼町でのタンチョウとの関わりや保護活動について学ぶことができたらと思います。(田中)
posted by 野鳥保護区事業 at 18:40| タンチョウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする